7年後に後腹膜再発をきたした隆起性皮膚線維肉腫の1例

症例は49歳,女性.左下腹部に認められた皮下腫瘤が隆起性皮膚線維肉腫(dermatofibrosarcoma protuberans:以下DFSP)と診断され,皮膚と皮下組織の広範囲切除術および植皮術を施行した.7年後の経過観察時のCTにて後腹膜再発を指摘され,開腹による切除術を施行した.術前の血管造影で左深腸骨回旋動脈と左腸腰動脈を栄養動脈と判断し,それらを塞栓し,術中出血は95mLであった.病理組織像はCD34(+),vimentin(+),bc1-2(-),desmin(-)であり原発巣と類似した染色性を示しDFSP再発と診断された.術後1年8カ月経過した現時点で再発は認めていない.DF...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 71; no. 12; pp. 3232 - 3236
Main Authors 長田, 真二, 奥村, 直樹, 広瀬, 善信, 野中, 健一, 高橋, 孝夫, 山口, 和也, 吉田, 和弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2010
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.71.3232

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Summary:症例は49歳,女性.左下腹部に認められた皮下腫瘤が隆起性皮膚線維肉腫(dermatofibrosarcoma protuberans:以下DFSP)と診断され,皮膚と皮下組織の広範囲切除術および植皮術を施行した.7年後の経過観察時のCTにて後腹膜再発を指摘され,開腹による切除術を施行した.術前の血管造影で左深腸骨回旋動脈と左腸腰動脈を栄養動脈と判断し,それらを塞栓し,術中出血は95mLであった.病理組織像はCD34(+),vimentin(+),bc1-2(-),desmin(-)であり原発巣と類似した染色性を示しDFSP再発と診断された.術後1年8カ月経過した現時点で再発は認めていない.DFSPは,皮下組織に生じる結節性の隆起性腫瘤であり,中間悪性群に分類される比較的稀な軟部腫瘍である.自験例のごとく,術後長期経過したのちに再発する報告もあるため注意を要すると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.71.3232