転移性肺腫瘍の合併が疑われたChronic Expanding Hematomaの1例

症例は71歳,男性.27歳時,右気胸に対して胸腔ドレナージを施行.S状結腸癌術後の経過観察中,2007年12月の血液検査にて血清CEA高値を認めた.胸部CT検査では以前より指摘されていた右胸腔内を占拠する腫瘤近傍の右肺下葉に新たな結節影を認めた.画像所見と臨床経過より,Chronic Expanding Hematomaに転移性肺腫瘍の合併が疑われたため,血腫摘出術と右下葉部分切除術を施行した.病理組織検査の結果,切除標本に悪性所見は認めず,壊死組織のみであった.内容物の培養を行ったが一般細菌,結核菌とも陰性であった.術後経過は良好であり,術後14日目に退院となった....

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 23; no. 5; pp. 718 - 721
Main Authors 高濱, 誠, 山本, 良二, 正畠, 和典, 多田, 弘人, 泉, 信博, 中嶋, 隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2009
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.23.718

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Summary:症例は71歳,男性.27歳時,右気胸に対して胸腔ドレナージを施行.S状結腸癌術後の経過観察中,2007年12月の血液検査にて血清CEA高値を認めた.胸部CT検査では以前より指摘されていた右胸腔内を占拠する腫瘤近傍の右肺下葉に新たな結節影を認めた.画像所見と臨床経過より,Chronic Expanding Hematomaに転移性肺腫瘍の合併が疑われたため,血腫摘出術と右下葉部分切除術を施行した.病理組織検査の結果,切除標本に悪性所見は認めず,壊死組織のみであった.内容物の培養を行ったが一般細菌,結核菌とも陰性であった.術後経過は良好であり,術後14日目に退院となった.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.23.718