チーム医療で喉頭温存食道切除が可能であった頸胸部進行食道癌の1例

「はじめに」頸胸部食道癌治療後のQOL(Quality of Life)を保つために, 癌の根治性を低下させることなく, 喉頭機能を温存する治療法が求められている1, 2. われわれは, 頸胸部食道癌に対して消化器外科, 頭頸部外科の2科共同で手術を行い, 消化器内科による術前後化学療法や放射線治療科による術後放射線治療を含めたチーム医療をすすめている. 今回, チーム医療の取り組みで喉頭温存食道切除が可能であった頸胸部進行食道癌の1例を経験したので報告する. 「症例」患者:54歳, 男性 主訴:嚥下困難 家族歴, 既往歴:特記すべきことなし 嗜好:タバコ30本/日を30年間, 習慣性飲酒(ビ...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 9; no. 1; pp. 20 - 24
Main Authors 野村, 務, 松谷, 毅, 川見, 典之, 宮下, 正夫, 河越, 哲郎, 中溝, 宗永, 内田, 英二, 横島, 一彦, 萩原, 信敏, 宮下, 次廣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 2013
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ISSN1349-8975
1880-2877
DOI10.1272/manms.9.20

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Summary:「はじめに」頸胸部食道癌治療後のQOL(Quality of Life)を保つために, 癌の根治性を低下させることなく, 喉頭機能を温存する治療法が求められている1, 2. われわれは, 頸胸部食道癌に対して消化器外科, 頭頸部外科の2科共同で手術を行い, 消化器内科による術前後化学療法や放射線治療科による術後放射線治療を含めたチーム医療をすすめている. 今回, チーム医療の取り組みで喉頭温存食道切除が可能であった頸胸部進行食道癌の1例を経験したので報告する. 「症例」患者:54歳, 男性 主訴:嚥下困難 家族歴, 既往歴:特記すべきことなし 嗜好:タバコ30本/日を30年間, 習慣性飲酒(ビール500mL, ウイスキー水割り4~5杯). 現病歴:約2カ月前から主訴が出現し, 前医を受診. 上部消化管内視鏡を行い, 食道に腫瘤を認めたため当院に紹介となった. 入院時現症:身長181cm, 体重78kg. 頸部では気管後方に圧痛を訴えたが, 胸腹部には異常は認めなかった. 入院時検査所見:血液生化学検査では異常を認めなかった.
ISSN:1349-8975
1880-2877
DOI:10.1272/manms.9.20