4次元超曲面の曲率を用いた領域拡張法と胸部CT像からの血管抽出への応用

本稿では、4次元超曲面の曲率を拡張条件として用いた領域拡張法を提案する。まず、3次元濃淡画像に対する局所的な最適超曲面当てはめによって得られる超曲面の多項式から4次元超曲面の曲率を求め、その基本的な性質を明らかにする。本手法では3次元濃淡画像を4次元空間における超曲面と考え、その形状を多項式を用いて局所的に近似する。得られた多項式の係数を用いることにより、従来から用いられている差分による偏導関数の近似を用いることなく4次元超曲面の曲率を計算することができる。本手法と差分近似による計算結果を定量的に比較した。本手法によって得られた曲率は差分近似によって得られた曲率に比べて、雑音に強く、方向に依存...

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Published inJournal of Computer Aided Diagnosis of Medical Images Vol. 7; no. 3; pp. 19 - 28
Main Authors 長谷川, 純一, 平野, 靖, 国光, 和宏, 鳥脇, 純一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医用画像工学会 2003
The Japanese Society of Medical Imaging Technology
Subjects
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ISSN1347-9245
DOI10.11313/cadm.7.19

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Summary:本稿では、4次元超曲面の曲率を拡張条件として用いた領域拡張法を提案する。まず、3次元濃淡画像に対する局所的な最適超曲面当てはめによって得られる超曲面の多項式から4次元超曲面の曲率を求め、その基本的な性質を明らかにする。本手法では3次元濃淡画像を4次元空間における超曲面と考え、その形状を多項式を用いて局所的に近似する。得られた多項式の係数を用いることにより、従来から用いられている差分による偏導関数の近似を用いることなく4次元超曲面の曲率を計算することができる。本手法と差分近似による計算結果を定量的に比較した。本手法によって得られた曲率は差分近似によって得られた曲率に比べて、雑音に強く、方向に依存しないことが示された。さらに、主曲率のパターンの組み合わせを拡張の条件とした領域拡張を行ない、3次元胸部X線CT像からの肺野内の血管抽出を試みた。その結果、血管と思われる部分を抽出できることが確認された。
ISSN:1347-9245
DOI:10.11313/cadm.7.19