神経筋救急疾患に対する初療時の電気診断戦略

急性免疫性ニューロパチーは初期治療が予後を決める救急疾患である。初療時に病歴, 身体診察に加え, 生理検査を駆使して治療閾値を超える情報を早急に集めなければならない。またその後にも治療方針の修正を要するかどうか判断するために, 適切な時期に検査のフォローアップが必要になる。急性発症した麻痺を主訴に緊急受診した2症例, ポリニューロパチーと多発単神経障害の症例を対象に, 超急性期から急性期にかけての神経生理検査結果を具体的に提示し, 経時的変化も念頭に置いた診断戦略の立て方について言及した。初療時には針筋電図検査で軸索の伝導障害の有無と分布を確認すること, Waller変性が生じる時間差を意識し...

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Published inJapanese Journal of Clinical Neurophysiology Vol. 46; no. 1; pp. 61 - 68
Main Authors 高松, 直子, 野寺, 裕之, 森, 敦子, 大崎, 裕亮, 山﨑, 博輝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本臨床神経生理学会 2018
Japanese Society of Clinical Neurophysiology
Subjects
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ISSN1345-7101
2188-031X
DOI10.11422/jscn.46.61

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Summary:急性免疫性ニューロパチーは初期治療が予後を決める救急疾患である。初療時に病歴, 身体診察に加え, 生理検査を駆使して治療閾値を超える情報を早急に集めなければならない。またその後にも治療方針の修正を要するかどうか判断するために, 適切な時期に検査のフォローアップが必要になる。急性発症した麻痺を主訴に緊急受診した2症例, ポリニューロパチーと多発単神経障害の症例を対象に, 超急性期から急性期にかけての神経生理検査結果を具体的に提示し, 経時的変化も念頭に置いた診断戦略の立て方について言及した。初療時には針筋電図検査で軸索の伝導障害の有無と分布を確認すること, Waller変性が生じる時間差を意識して伝導検査, 必要に応じて針筋電図検査をフォローアップすることが重要である。
ISSN:1345-7101
2188-031X
DOI:10.11422/jscn.46.61