暑熱環境下における泌乳豚への酵素処理レシチン給与による繁殖成績の改善

本研究では,乳化剤として酵素処理レシチンを泌乳中の母豚に給与することで摂取油脂の吸収を促進させ,油脂のエネルギーを効率よく吸収することで,暑熱環境下の体重減少を抑制し繁殖成績の改善を図ることを目的とした。 供試豚は,純粋種7頭,交雑種33頭を用いた。給与飼料は,粗蛋白質17%,可消化養分総量80%であった。対照区と試験区の2区を設置し,試験区には,酵素処理レシチンを泌乳中,1日12g上記飼料に加えて給与した。 子豚の平均離乳時体重は,対照区7.15kg, 試験区7.37kgであり,暑熱環境下では,対照区6.46kg, 試験区7.13kgであり,試験区が大きかった。分娩舎導入時と離乳時体重から算...

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Published in日本養豚学会誌 Vol. 45; no. 1; pp. 32 - 35
Main Authors 中野, 徹, 石井, 俊哉, 奥村, 純市, 中川, 二郎, 小野村, 光正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本養豚学会 2008
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ISSN0913-882X
1881-655X
DOI10.5938/youton.45.32

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Summary:本研究では,乳化剤として酵素処理レシチンを泌乳中の母豚に給与することで摂取油脂の吸収を促進させ,油脂のエネルギーを効率よく吸収することで,暑熱環境下の体重減少を抑制し繁殖成績の改善を図ることを目的とした。 供試豚は,純粋種7頭,交雑種33頭を用いた。給与飼料は,粗蛋白質17%,可消化養分総量80%であった。対照区と試験区の2区を設置し,試験区には,酵素処理レシチンを泌乳中,1日12g上記飼料に加えて給与した。 子豚の平均離乳時体重は,対照区7.15kg, 試験区7.37kgであり,暑熱環境下では,対照区6.46kg, 試験区7.13kgであり,試験区が大きかった。分娩舎導入時と離乳時体重から算出される母豚の体重減少率は,対照区12.9%,試験区11.9%であり,暑熱環境下では,対照区13.6%,試験区11.9%であり,試験区が小さかった。 以上の結果から,酵素処理レシチンを給与することで,暑熱環境下で脂肪の吸収能が向上し,泌乳豚の体重減少を抑制し,繁殖成績を改善する可能性が示唆された。
ISSN:0913-882X
1881-655X
DOI:10.5938/youton.45.32