百貨店の屋上緑地を事例とした初夏における緑の効用に関する利用者評価

都心の百貨店における屋上緑化が,利用者に及ぼす生活面の効用を明らかにするために,アンケート調査を実施した。その結果,71 %の利用者が屋上緑化の効用を総合的に魅力的であると評価した。調査した生活に関する緑の効用について確認的因子分析を実施した結果,植物・園芸のもたらす生活質向上の要素に提唱されている生理的健康,情緒的健康,社会的健康の 3 要因が,利用者に認知されていた効用の構成概念として統計的に示唆された。因子得点とアンケートの回答によると,会社員を含むほとんどの人がストレス緩和や景観の快適性による生理的健康を同程度に感じていた。特に 60 歳以上の高齢者は緑と触れ合う喜びによる情緒的健康,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本緑化工学会誌 Vol. 37; no. 1; pp. 61 - 66
Main Authors 高岡, 由紀子, 岩崎, 寛, 那須, 守, 林, 豊, 金, 侑映, 石田, 都
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緑化工学会 2011
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN0916-7439
0916-7439
DOI10.7211/jjsrt.37.61

Cover

More Information
Summary:都心の百貨店における屋上緑化が,利用者に及ぼす生活面の効用を明らかにするために,アンケート調査を実施した。その結果,71 %の利用者が屋上緑化の効用を総合的に魅力的であると評価した。調査した生活に関する緑の効用について確認的因子分析を実施した結果,植物・園芸のもたらす生活質向上の要素に提唱されている生理的健康,情緒的健康,社会的健康の 3 要因が,利用者に認知されていた効用の構成概念として統計的に示唆された。因子得点とアンケートの回答によると,会社員を含むほとんどの人がストレス緩和や景観の快適性による生理的健康を同程度に感じていた。特に 60 歳以上の高齢者は緑と触れ合う喜びによる情緒的健康,専業主婦は交流のもたらす社会的健康において,高い効用を得ていた。
ISSN:0916-7439
0916-7439
DOI:10.7211/jjsrt.37.61