副耳下腺原発唾液腺導管癌の3例

副耳下腺悪性腫瘍の報告は少なく,副耳下腺原発の唾液腺導管癌(salivary duct carcinoma:以下SDC)の報告例はさらに少ない。今回われわれは副耳下腺より発生したSDCを3例経験したため文献的考察を加え報告する。 3例全例で術前顔面神経麻痺はなかったが,全例顔面神経頰筋枝の合併切除を要した。2例で後発頸部リンパ節転移に対して頸部郭清術を施行し,切除断端近接または転移リンパ節に節外浸潤のあった2例に対して術後放射線治療を行った。3例全例で原発巣および頸部は制御されたが,2例に遠隔転移を認めた。副耳下腺原発のSDC症例の報告数は少なく,今後の治療方針の検討が必要と考えられた。...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in頭頸部外科 Vol. 32; no. 2; pp. 165 - 172
Main Authors 山口, 裕貴, 竹内, 一隆, 望月, 大極, 三澤, 清, 山田, 智史, 疋田, 由美子, 細川, 誠二, 岡村, 純, 瀧澤, 義徳, 池羽, 宇宙, 今井, 篤志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2022
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.32.165

Cover

More Information
Summary:副耳下腺悪性腫瘍の報告は少なく,副耳下腺原発の唾液腺導管癌(salivary duct carcinoma:以下SDC)の報告例はさらに少ない。今回われわれは副耳下腺より発生したSDCを3例経験したため文献的考察を加え報告する。 3例全例で術前顔面神経麻痺はなかったが,全例顔面神経頰筋枝の合併切除を要した。2例で後発頸部リンパ節転移に対して頸部郭清術を施行し,切除断端近接または転移リンパ節に節外浸潤のあった2例に対して術後放射線治療を行った。3例全例で原発巣および頸部は制御されたが,2例に遠隔転移を認めた。副耳下腺原発のSDC症例の報告数は少なく,今後の治療方針の検討が必要と考えられた。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.32.165