人工呼吸管理中に生じた気胸に対しEndobronchial Watanabe Spigotによる気管支充填術と胸膜癒着術の併用が有効であった一例

44歳,男性.筋萎縮性側索硬化症による球麻痺のため2年以上人工呼吸管理を受けていた.呼吸困難を訴えたため撮影した胸部レントゲン写真で左の緊張性気胸を認め,胸腔ドレナージを施行された.しかし,肺の再膨張は得られず大量の持続性空気漏れを認めた.第12病日にEndobronchial Watanabe Spigot(EWS®)による気管支塞栓術を施行したところ著明な空気漏れの減少を認めた.翌13病日にminocyclineと50%ブドウ糖溶液による胸膜癒着術を加え,空気漏れは完全に消失した.第15病日にドレナージチューブを抜去,治療後4ヵ月が経過したが気胸の再発は認めていない.EWS®による気管支塞...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 30; no. 1; pp. 113 - 117
Main Authors 西江, 尚貴, 鈴鹿, 伊智雄, 萱野, 公一, 柳沼, 裕嗣, 水谷, 尚雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2016
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.30.113

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Summary:44歳,男性.筋萎縮性側索硬化症による球麻痺のため2年以上人工呼吸管理を受けていた.呼吸困難を訴えたため撮影した胸部レントゲン写真で左の緊張性気胸を認め,胸腔ドレナージを施行された.しかし,肺の再膨張は得られず大量の持続性空気漏れを認めた.第12病日にEndobronchial Watanabe Spigot(EWS®)による気管支塞栓術を施行したところ著明な空気漏れの減少を認めた.翌13病日にminocyclineと50%ブドウ糖溶液による胸膜癒着術を加え,空気漏れは完全に消失した.第15病日にドレナージチューブを抜去,治療後4ヵ月が経過したが気胸の再発は認めていない.EWS®による気管支塞栓術と胸膜癒着術の併用は難治性気胸の有用な治療と思われた.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.30.113