ペグインターフェロンα-2b・リバビリン併用療法中に自己免疫性血小板減少性紫斑病を発症したC型慢性肝炎の1例

症例は66歳女性.C型慢性肝炎にてペグインターフェロンα-2b・リバビリン併用療法32週目に,左前腕の点状出血が出現し,血液検査にて血小板数7,000/mm3と減少を認めたため入院となった.赤血球,白血球数が経過で横ばいに推移していたのに対し,血小板数のみが著明に減少したこと,凝固能は抗ウイルス療法中と著変を認めなかったこと,抗血小板抗体である血小板関連IgG(PA-IgG)が軽度高値を示したこと,骨髄穿刺にて赤芽球,顆粒球,リンパ球系は数・形態ともに明らかな異常を認めず,また巨核球数も正常範囲内であったことから自己免疫性血小板減少性紫斑病と診断した.インターフェロンが誘因となり発症した自己免...

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Published in肝臓 Vol. 50; no. 3; pp. 132 - 138
Main Authors 岡村, 利之, 杉本, 立甫, 足立, 浩司, 戸島, 史仁, 稲邑, 克久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 2009
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.50.132

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Summary:症例は66歳女性.C型慢性肝炎にてペグインターフェロンα-2b・リバビリン併用療法32週目に,左前腕の点状出血が出現し,血液検査にて血小板数7,000/mm3と減少を認めたため入院となった.赤血球,白血球数が経過で横ばいに推移していたのに対し,血小板数のみが著明に減少したこと,凝固能は抗ウイルス療法中と著変を認めなかったこと,抗血小板抗体である血小板関連IgG(PA-IgG)が軽度高値を示したこと,骨髄穿刺にて赤芽球,顆粒球,リンパ球系は数・形態ともに明らかな異常を認めず,また巨核球数も正常範囲内であったことから自己免疫性血小板減少性紫斑病と診断した.インターフェロンが誘因となり発症した自己免疫性血小板減少性紫斑病と考え,プレドニゾロンによる治療を開始したところ,血小板数は急激に増加した.血小板数の著明な減少は,出血傾向をきたす重篤な副作用と考え報告した.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.50.132