壁外有茎性発育した胃GISTの1例

症例は50歳,女性.健診で胃粘膜下腫瘍を指摘され当院へ紹介となる.術前CT検査では胃後壁に壁外発育を示す6cm大の類円形腫瘍を認め胃GISTと診断された.腫瘍は胃体部大彎から有茎性発育をきたしており,腹腔鏡補助下に茎付着部より2cm離しstaplerを用いて胃全層を含めた胃部分切除術を行った.腫瘍は紡錘形細胞の増殖を認め免疫組織化学染色ではc-kit(+)からGISTと診断された.核分裂はほとんど認めず1>/50HPFであった.術後約12カ月経過した現在も無再発生存中である.壁外有茎性発育した胃GISTは本邦では過去に31例と比較的稀である.一般的な胃GISTに比べ壁外有茎発育性胃GIS...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 70; no. 7; pp. 1975 - 1980
Main Authors 石川, 正志, 一森, 敏弘, 木村, 秀, 沖津, 宏, 宇山, 攻, 阪田, 章聖
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2009
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.70.1975

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Summary:症例は50歳,女性.健診で胃粘膜下腫瘍を指摘され当院へ紹介となる.術前CT検査では胃後壁に壁外発育を示す6cm大の類円形腫瘍を認め胃GISTと診断された.腫瘍は胃体部大彎から有茎性発育をきたしており,腹腔鏡補助下に茎付着部より2cm離しstaplerを用いて胃全層を含めた胃部分切除術を行った.腫瘍は紡錘形細胞の増殖を認め免疫組織化学染色ではc-kit(+)からGISTと診断された.核分裂はほとんど認めず1>/50HPFであった.術後約12カ月経過した現在も無再発生存中である.壁外有茎性発育した胃GISTは本邦では過去に31例と比較的稀である.一般的な胃GISTに比べ壁外有茎発育性胃GISTは腫瘍径の割に予後は良好であるが,治療の第一選択は手術であり術式は胃正常部を含めた胃部分切除術が望ましい.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.70.1975