縦隔炎と腸腰筋膿瘍を同時に発症した1例

縦隔炎と腸腰筋膿瘍を同時に発症した症例を経験したので報告する.患者は45歳男性で,既往に糖尿病を有していたがコントロールは比較的良好であった. 初発症状は腰痛でその後発熱と前胸部痛が出現し近医を受診,抗生剤治療を開始されたがその後状態が悪化したため当院に紹介となった.臨床および画像所見から膿胸を伴う縦隔炎および左腸腰筋膿瘍と診断し,膿胸と縦隔炎に対しては手術による胸腔内洗浄とドレナージを,腸腰筋膿瘍に対しては抗生剤治療を行った.治療経過は良好で,現在までに感染の再発は認められていない.縦隔炎と他臓器の膿瘍が併存することは稀ではあるが存在し,原因不明の縦隔炎と判断された場合には他臓器の精査も必要...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 27; no. 6; pp. 707 - 711
Main Authors 中村, 彰太, 川口, 晃司, 福井, 高幸, 横井, 香平, 谷口, 哲郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2013
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.27.707

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Summary:縦隔炎と腸腰筋膿瘍を同時に発症した症例を経験したので報告する.患者は45歳男性で,既往に糖尿病を有していたがコントロールは比較的良好であった. 初発症状は腰痛でその後発熱と前胸部痛が出現し近医を受診,抗生剤治療を開始されたがその後状態が悪化したため当院に紹介となった.臨床および画像所見から膿胸を伴う縦隔炎および左腸腰筋膿瘍と診断し,膿胸と縦隔炎に対しては手術による胸腔内洗浄とドレナージを,腸腰筋膿瘍に対しては抗生剤治療を行った.治療経過は良好で,現在までに感染の再発は認められていない.縦隔炎と他臓器の膿瘍が併存することは稀ではあるが存在し,原因不明の縦隔炎と判断された場合には他臓器の精査も必要と思われたので報告した.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.27.707