卵巣動脈瘤破裂による後腹膜血腫の1例

症例は40歳代の女性.左側腹部痛と意識消失発作にて発症し,当院に救急搬送された.血管造影にて左卵巣動脈瘤破裂と考えられ,塞栓術を施行した.塞栓術後1カ月目のCTにて後腹膜血腫の増大を認め,外科的なドレナージが必要と考えられたため,後腹膜アプローチにて血腫除去術および止血術を施行し軽快した.卵巣動脈瘤破裂はきわめてまれな疾患であるが,女性の後腹膜血腫をみた場合,本疾患の可能性も念頭に置いて検査を進める必要がある.また塞栓術後に血腫の吸収が遷延する場合には外科的な血腫除去および止血術を積極的に考慮すべきと考えられた....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 71; no. 8; pp. 2155 - 2159
Main Authors 竹原, 清人, 荒田, 尚, 重安, 邦俊, 竹内, 仁司, 金澤, 卓, 田中屋, 宏爾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2010
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.71.2155

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Summary:症例は40歳代の女性.左側腹部痛と意識消失発作にて発症し,当院に救急搬送された.血管造影にて左卵巣動脈瘤破裂と考えられ,塞栓術を施行した.塞栓術後1カ月目のCTにて後腹膜血腫の増大を認め,外科的なドレナージが必要と考えられたため,後腹膜アプローチにて血腫除去術および止血術を施行し軽快した.卵巣動脈瘤破裂はきわめてまれな疾患であるが,女性の後腹膜血腫をみた場合,本疾患の可能性も念頭に置いて検査を進める必要がある.また塞栓術後に血腫の吸収が遷延する場合には外科的な血腫除去および止血術を積極的に考慮すべきと考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.71.2155