Flap bronchoplastyを用いたLow-grade mucoepidermoid carcinomaのS6区域切除の1例

本邦の原発性肺悪性腫瘍手術の中で気管支形成術の割合は1.7%と報告されている.今回比較的稀な術式であるFlap bronchoplastyを経験したので報告する.症例は11歳,女児.繰り返す肺炎を契機に発見させた腫瘍性病変であり,中間気管支幹内腔を占拠していた.気管支鏡下生検で当初乳頭腫の診断を得たため良性腫瘍と判断し硬性鏡下Core-outにより腫瘍摘出術を行った.最終病理診断でLow-grade mucoepidermoid carcinomaの診断を得て気管支鏡でB6と底区気管支分岐部のB6側に腫瘍の基部を確認したところ腫瘍遺残を認めた.以上より追加切除が必要と判断しB6と底区気管支分岐...

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Published in日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 29; no. 7; pp. 863 - 868
Main Authors 宮原, 尚文, 宮原, 聡, 岩﨑, 昭憲, 山下, 眞一, 白石, 武史, 吉田, 康浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会 2015
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ISSN0919-0945
1881-4158
DOI10.2995/jacsurg.29.863

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Summary:本邦の原発性肺悪性腫瘍手術の中で気管支形成術の割合は1.7%と報告されている.今回比較的稀な術式であるFlap bronchoplastyを経験したので報告する.症例は11歳,女児.繰り返す肺炎を契機に発見させた腫瘍性病変であり,中間気管支幹内腔を占拠していた.気管支鏡下生検で当初乳頭腫の診断を得たため良性腫瘍と判断し硬性鏡下Core-outにより腫瘍摘出術を行った.最終病理診断でLow-grade mucoepidermoid carcinomaの診断を得て気管支鏡でB6と底区気管支分岐部のB6側に腫瘍の基部を確認したところ腫瘍遺残を認めた.以上より追加切除が必要と判断しB6と底区気管支分岐部のwedge resectionを伴うS6区域切除を行い,B6気管支壁片(B6 bronchial flap)を利用した下葉気管支欠損部再建術を施行した.①腫瘍基部がB6と底区気管支の分岐部に限局,②術前にLow-grade粘表皮癌と診断された症例において,B6 bronchial flapを利用したFlap bronchoplasty(S6区域切除)は縮小手術の術式として有用であった.
ISSN:0919-0945
1881-4158
DOI:10.2995/jacsurg.29.863