各種治療に抵抗性を示した自己免疫性肝炎の1例

症例は27歳,女性.鼻閉感で近医受診時に血液検査で高γグロブリン血症,高IgG血症を認め,経過観察されていたが,血清トランスアミナーゼの異常高値を示し,当科へ紹介入院となった.血液検査,肝生検から自己免疫性肝炎と診断され,プレドニゾロン30 mg/日で治療を開始した.しかしながら,ステロイド抵抗性を認めたため,アザチオプリン50 mg/日を併用し,一旦は軽快傾向に向かった.無顆粒球症を合併したため,シクロスポリンに変更したところ,肝障害は再増悪した.治療中突然の意識レベルの低下およびカリニ性肺炎が疑われる急性呼吸不全に至り,死亡した.今回我々は,各種治療を行ったが,奏効せず,治療抵抗性を示し,...

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Published in肝臓 Vol. 50; no. 5; pp. 223 - 228
Main Authors 安田, 隆弘, 遠山, まどか, 藤井, 英樹, 黒岡, 浩子, 岩井, 秀司, 小塚, 立蔵, 小林, 佐和子, 田守, 昭博, 河田, 則文, 榎本, 大, 中山, 祐史, 森川, 浩安, 坂口, 浩樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 2009
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.50.223

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Summary:症例は27歳,女性.鼻閉感で近医受診時に血液検査で高γグロブリン血症,高IgG血症を認め,経過観察されていたが,血清トランスアミナーゼの異常高値を示し,当科へ紹介入院となった.血液検査,肝生検から自己免疫性肝炎と診断され,プレドニゾロン30 mg/日で治療を開始した.しかしながら,ステロイド抵抗性を認めたため,アザチオプリン50 mg/日を併用し,一旦は軽快傾向に向かった.無顆粒球症を合併したため,シクロスポリンに変更したところ,肝障害は再増悪した.治療中突然の意識レベルの低下およびカリニ性肺炎が疑われる急性呼吸不全に至り,死亡した.今回我々は,各種治療を行ったが,奏効せず,治療抵抗性を示し,死亡した1例を経験したので報告する.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.50.223