横浜市内で発生したShigella sonneiによる集団発生事例由来株の分子疫学的解析

横浜市内で発生したShigella sonneiによる集団2事例 (家族および病院内: A事例, 幼稚園: B事例) について, 集団内の相互関係や感染源追求を目的として, 分離菌の分子疫学的解析を行った. A事例由来の6株は全てコリシン0型でSM, STの2薬剤に耐性を示した. 5株が230Kbのプラスミドを保有していた. RAPD法を用いた検索は2種類のプライマーで6株とも同じパターンの泳動像が得られた.XbaIとsfiIのPFGE法によるDNA多型性解析では6株の類似度は0.90以上であった.B事例由来14株はすべてコリシン6型, 16薬剤に感受性であった. 血清型は1株を除き全て1相で...

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Published in感染症学雑誌 Vol. 73; no. 9; pp. 923 - 929
Main Authors 武藤, 哲典, 鈴木, 正弘, 山田, 三紀子, 北爪, 晴恵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本感染症学会 20.09.1999
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ISSN0387-5911
1884-569X
DOI10.11150/kansenshogakuzasshi1970.73.923

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Summary:横浜市内で発生したShigella sonneiによる集団2事例 (家族および病院内: A事例, 幼稚園: B事例) について, 集団内の相互関係や感染源追求を目的として, 分離菌の分子疫学的解析を行った. A事例由来の6株は全てコリシン0型でSM, STの2薬剤に耐性を示した. 5株が230Kbのプラスミドを保有していた. RAPD法を用いた検索は2種類のプライマーで6株とも同じパターンの泳動像が得られた.XbaIとsfiIのPFGE法によるDNA多型性解析では6株の類似度は0.90以上であった.B事例由来14株はすべてコリシン6型, 16薬剤に感受性であった. 血清型は1株を除き全て1相であった. 11株の保有プラスミドは230Kbと3Kbであった. 2種類のプライマーによるRAPD法のパターンは14株とも一致していた.PFGE法では一部に不一致がみられたがマルチエンザイム解析での類似度は0.89以上であった. プラスミドプロファイルやRAPD法, PFGE法などの分子疫学的検索を組み合わせると, より詳細な比較結果が得られるため有用な疫学マーカーであるとおもわれた.
ISSN:0387-5911
1884-569X
DOI:10.11150/kansenshogakuzasshi1970.73.923