小腸カルチノイドと小腸GISTを併発した神経線維腫症1型の1例

小腸カルチノイド,小腸gastrointestinal stromal tumor(GIST)を合併したvon Recklinghausen病(以下VRDとする)の1例を経験した.症例は77歳女性.既往歴では乳癌の手術歴がある.嘔吐,腹痛を主訴に来院,CTにてイレウスと診断,その原因として小腸腫瘍を疑い手術を施行した.Treitz靱帯より約160cmの小腸に約2cmの腫瘍を認め,漿膜がひきつれていた.それとは別にTreitz靱帯より140cmの小腸に約3mmの腫瘍を認めた.病理組織検査にて,それぞれカルチノイドとGISTと診断された.VRDにカルチノイドを合併した症例の報告は散見されるが,ほと...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 73; no. 11; pp. 3003 - 3007
Main Authors 崔, 聡仁, 若狭, 基見, 山崎, 茂樹, 石原, 陽介, 北出, 貴嗣, 園山, 輝久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2012
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.73.3003

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Summary:小腸カルチノイド,小腸gastrointestinal stromal tumor(GIST)を合併したvon Recklinghausen病(以下VRDとする)の1例を経験した.症例は77歳女性.既往歴では乳癌の手術歴がある.嘔吐,腹痛を主訴に来院,CTにてイレウスと診断,その原因として小腸腫瘍を疑い手術を施行した.Treitz靱帯より約160cmの小腸に約2cmの腫瘍を認め,漿膜がひきつれていた.それとは別にTreitz靱帯より140cmの小腸に約3mmの腫瘍を認めた.病理組織検査にて,それぞれカルチノイドとGISTと診断された.VRDにカルチノイドを合併した症例の報告は散見されるが,ほとんどが十二指腸で,小腸カルチノイドはまれである.また,本症例はVRDに合併した乳癌,小腸GIST,小腸カルチノイドの3重複腫瘍でもあり,この点からも貴重な症例である.今回自験例に若干の文献的考察を加え報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.73.3003