当科における頭頸部粘膜悪性黒色腫の再発・転移症例に対するイピリムマブを用いた治療経験

悪性黒色腫に対する化学療法として,免疫チェックポイント阻害薬が本邦において承認され,これまでに有効な治療法がなかった頭頸部粘膜悪性黒色腫の再発・転移に対し,本剤を使用することが可能となった。今回われわれは,頭頸部粘膜悪性黒色腫の再発・転移に対し,イピリムマブを用いて治療を行った4症例につき,前治療,治療効果,有害事象を検討した。原発巣はいずれも鼻腔であり,前治療は手術,重粒子線療法,放射線療法,化学療法が行われていた。治療効果は,1例がCR,3例がPDで1例は生存,2例は原病死となった。有害事象は,grade 3の下垂体機能低下を認めた症例が1例あったが,全例4回のイピリムマブ投与が可能であっ...

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Published in頭頸部外科 Vol. 27; no. 3; pp. 307 - 311
Main Authors 長瀬, 輝顕, 倉上, 和也, 岡崎, 慎一, 八鍬, 修一, 那須, 隆, 小池, 修治, 中島, 小百合, 野田, 大介, 金子, 昌行, 欠畑, 誠治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2018
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.27.307

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Summary:悪性黒色腫に対する化学療法として,免疫チェックポイント阻害薬が本邦において承認され,これまでに有効な治療法がなかった頭頸部粘膜悪性黒色腫の再発・転移に対し,本剤を使用することが可能となった。今回われわれは,頭頸部粘膜悪性黒色腫の再発・転移に対し,イピリムマブを用いて治療を行った4症例につき,前治療,治療効果,有害事象を検討した。原発巣はいずれも鼻腔であり,前治療は手術,重粒子線療法,放射線療法,化学療法が行われていた。治療効果は,1例がCR,3例がPDで1例は生存,2例は原病死となった。有害事象は,grade 3の下垂体機能低下を認めた症例が1例あったが,全例4回のイピリムマブ投与が可能であった。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.27.307