本邦における肝類洞閉塞症候群/肝中心静脈閉塞症

1999年から2010年の間に本邦で実施された同種移植4,290件中,Seattle基準により類洞閉塞症候群/肝中心静脈閉塞症(SOS/VOD)と診断された症例は462件(発症割合は10.8%)であった。寛解割合は45%,全生存割合はSOS/VOD発症群で有意に低かった(32% vs 76% @100日,P<0.001)。移植回数,年齢,PS,HCV抗体陽性,進行病期,骨髄破壊的前処置がSOS/VOD発症の有意なリスク因子であった。デフィブロタイド(DF,n=24)あるいはトロンボモジュリン製剤(rhTM,n=41)にて治療された同種移植後SOS/VOD症例に関する後方視的検討では移植後...

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Published in日本造血細胞移植学会雑誌 Vol. 10; no. 1; pp. 30 - 35
Main Author 藥師神, 公和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本造血細胞移植学会 2021
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ISSN2186-5612
DOI10.7889/hct-20-018

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Summary:1999年から2010年の間に本邦で実施された同種移植4,290件中,Seattle基準により類洞閉塞症候群/肝中心静脈閉塞症(SOS/VOD)と診断された症例は462件(発症割合は10.8%)であった。寛解割合は45%,全生存割合はSOS/VOD発症群で有意に低かった(32% vs 76% @100日,P<0.001)。移植回数,年齢,PS,HCV抗体陽性,進行病期,骨髄破壊的前処置がSOS/VOD発症の有意なリスク因子であった。デフィブロタイド(DF,n=24)あるいはトロンボモジュリン製剤(rhTM,n=41)にて治療された同種移植後SOS/VOD症例に関する後方視的検討では移植後100日目の寛解割合と生存割合はそれぞれDF投与群で50%と50%,rhTM投与群で54%と48%であった。DFが世界的に使用できるようになったが,SOS/VODは未だ重要な合併症の一つである。
ISSN:2186-5612
DOI:10.7889/hct-20-018