副神経を温存した頸部郭清術後の頭頸部がん患者の手術後早期における肩関節外転可動域の影響因子

本研究の目的は,頭頸部がん患者37名45肢(男性33名,平均年齢58.9歳)を対象とし,手術後早期の肩関節外転可動域の影響因子を明らかにすることである。手術前から手術後1か月の肩関節外転可動域の変化比(%外転ROM)を算出し,57.6%以上を改善群(25肢),57.6%未満を非改善群(20肢)として分類した。%外転ROMの影響因子として検出されたのは,手術後合併症の有無と両側郭清の有無,手術後の肩甲骨脊椎間距離および握力の4項目であった。なかでも,両側郭清の有無のオッズ比が最も高値であった。よって,%外転ROM改善のためには,両側郭清の有無を考慮しリハビリテーションを実施する必要がある。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 26; no. 2; pp. 211 - 216
Main Authors 久保, 晃, 石井, 貴弥, 四宮, 美穂, 草野, 修輔, 原, 毅, 井川, 達也, 三浦, 弘規, 出浦, 健太郎, 西村, 晃典
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2016
Subjects
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.26.211

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Summary:本研究の目的は,頭頸部がん患者37名45肢(男性33名,平均年齢58.9歳)を対象とし,手術後早期の肩関節外転可動域の影響因子を明らかにすることである。手術前から手術後1か月の肩関節外転可動域の変化比(%外転ROM)を算出し,57.6%以上を改善群(25肢),57.6%未満を非改善群(20肢)として分類した。%外転ROMの影響因子として検出されたのは,手術後合併症の有無と両側郭清の有無,手術後の肩甲骨脊椎間距離および握力の4項目であった。なかでも,両側郭清の有無のオッズ比が最も高値であった。よって,%外転ROM改善のためには,両側郭清の有無を考慮しリハビリテーションを実施する必要がある。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.26.211