肺実質に空洞像を呈した肺腺癌の1例

肺実質内に空洞性病変を呈した肺腺癌の1例を経験した.症例は75歳男性.自覚症状は.胸部X線にて左上肺野に鶏卵大の空洞像が見つかった.感染性疾患が疑われたが発熱や炎症所見はみられなかった.気管支鏡による生検の結果,肺腺癌と診断され,胸腔鏡下左上葉切除を行った.現在まで24カ月経過するも再発はみられない.詳細な病理検査にて空洞の中枢側に存在するドレナージ気管支の周囲に腫瘍の浸潤がみられた.発症機転としてcheck-valve機構が生じて空洞を形成したものと推測された.肺の空洞性疾患は肺癌の合併を念頭に置く必要があると考えられた....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 71; no. 2; pp. 379 - 382
Main Authors 大嶺, 靖, 宮城, 淳, 神谷, 知里, 知花, 朝美, 豊見山, 健, 兼城, 隆雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2010
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.71.379

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Summary:肺実質内に空洞性病変を呈した肺腺癌の1例を経験した.症例は75歳男性.自覚症状は.胸部X線にて左上肺野に鶏卵大の空洞像が見つかった.感染性疾患が疑われたが発熱や炎症所見はみられなかった.気管支鏡による生検の結果,肺腺癌と診断され,胸腔鏡下左上葉切除を行った.現在まで24カ月経過するも再発はみられない.詳細な病理検査にて空洞の中枢側に存在するドレナージ気管支の周囲に腫瘍の浸潤がみられた.発症機転としてcheck-valve機構が生じて空洞を形成したものと推測された.肺の空洞性疾患は肺癌の合併を念頭に置く必要があると考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.71.379