腹腔鏡補助下に手術を施行したWinslow孔ヘルニアの1例
術前にWinslow孔ヘルニアと診断し,腹腔鏡補助下に手術を施行しえた1例を経験したので報告する.症例は35歳,男性.腹痛,嘔吐を主訴に救急病院を受診した.急性胃炎として投薬を受けたが,症状が改善しないため,当院を紹介され入院となった.腹部CTではWinslow孔から腸管が嵌入し,網嚢内に拡張した小腸が認められ,Winslow孔ヘルニアによる絞扼性イレウスの診断で緊急手術を施行した.手術は腹腔鏡下に嵌頓小腸の整復を試みたが困難なため,用手補助的に嵌頓小腸を網嚢外に脱転した.約15cmの小腸が壊死に陥っており,壊死小腸の切除を行った.明らかなWinslow孔の開大は認められず,縫縮は行わなかった...
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| Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 69; no. 1; pp. 193 - 196 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床外科学会
2008
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI | 10.3919/jjsa.69.193 |
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| Summary: | 術前にWinslow孔ヘルニアと診断し,腹腔鏡補助下に手術を施行しえた1例を経験したので報告する.症例は35歳,男性.腹痛,嘔吐を主訴に救急病院を受診した.急性胃炎として投薬を受けたが,症状が改善しないため,当院を紹介され入院となった.腹部CTではWinslow孔から腸管が嵌入し,網嚢内に拡張した小腸が認められ,Winslow孔ヘルニアによる絞扼性イレウスの診断で緊急手術を施行した.手術は腹腔鏡下に嵌頓小腸の整復を試みたが困難なため,用手補助的に嵌頓小腸を網嚢外に脱転した.約15cmの小腸が壊死に陥っており,壊死小腸の切除を行った.明らかなWinslow孔の開大は認められず,縫縮は行わなかった. |
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI: | 10.3919/jjsa.69.193 |