甲状腺癌気管浸潤例に対して肋軟骨および前腕皮弁による気管再建を行った1例

甲状腺癌の気管浸潤例の治療は腫瘍の浸潤範囲から喉頭温存の可否と気管合併切除時の再建法について評価することが重要である。喉頭温存には健側の反回神経の確実な温存が重要である。気管再建については手術侵襲や周術期の安全性の面から気管部分切除し気管皮膚瘻を作成する2期的再建が適しているとされる。 今回われわれは甲状腺癌の気管浸潤例について気管を部分切除したが,初回手術で肋軟骨と前腕皮弁を移植し膜様部から側壁の再建する気管枠組み手術をしたのちに2期的に気管皮膚瘻閉鎖を行った。これにより安全かつ良好な喉頭機能温存が可能であった。 甲状腺癌気管浸潤例の治療について改めて考察し,本法の有用性について報告する。...

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Published in頭頸部外科 Vol. 26; no. 1; pp. 153 - 158
Main Authors 濱畑, 淳盛, 得丸, 貴夫, 畑中, 章生, 別府, 武, 山田, 雅人, 白倉, 聡, 藤川, 太郎, 河邊, 浩明, 岡野, 渉
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2016
Subjects
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.26.153

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Summary:甲状腺癌の気管浸潤例の治療は腫瘍の浸潤範囲から喉頭温存の可否と気管合併切除時の再建法について評価することが重要である。喉頭温存には健側の反回神経の確実な温存が重要である。気管再建については手術侵襲や周術期の安全性の面から気管部分切除し気管皮膚瘻を作成する2期的再建が適しているとされる。 今回われわれは甲状腺癌の気管浸潤例について気管を部分切除したが,初回手術で肋軟骨と前腕皮弁を移植し膜様部から側壁の再建する気管枠組み手術をしたのちに2期的に気管皮膚瘻閉鎖を行った。これにより安全かつ良好な喉頭機能温存が可能であった。 甲状腺癌気管浸潤例の治療について改めて考察し,本法の有用性について報告する。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.26.153