外科治療介入した直腸神経内分泌腫瘍21例の臨床病理
直腸に発生する神経内分泌腫瘍(neuroendocrine neoplasms : NEN)は比較的稀な腫瘍であり,内視鏡治療後の追加切除適応,リンパ節転移リスクなどについては議論の余地がある.今回われわれは,2010年1月から2020年4月までに当院で外科治療介入した直腸原発NEN 21例を対象とし,臨床病理学的特徴,長期治療成績,リンパ節転移リスクを後ろ向きに検討した.6例(28.5%)にリンパ節転移を認め,再発を生じた症例は認めなかった.腫瘍径10mm以上,腫瘍表面の陥凹形成,MP浸潤,G2以上,ly因子陽性,v因子陽性のリスク因子のうち,単一因子のみの6症例ではリンパ節転移を認めず,2...
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          | Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 81; no. 10; pp. 1947 - 1952 | 
|---|---|
| Main Authors | , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本臨床外科学会
    
        2020
     | 
| Subjects | |
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| ISSN | 1345-2843 1882-5133  | 
| DOI | 10.3919/jjsa.81.1947 | 
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| Summary: | 直腸に発生する神経内分泌腫瘍(neuroendocrine neoplasms : NEN)は比較的稀な腫瘍であり,内視鏡治療後の追加切除適応,リンパ節転移リスクなどについては議論の余地がある.今回われわれは,2010年1月から2020年4月までに当院で外科治療介入した直腸原発NEN 21例を対象とし,臨床病理学的特徴,長期治療成績,リンパ節転移リスクを後ろ向きに検討した.6例(28.5%)にリンパ節転移を認め,再発を生じた症例は認めなかった.腫瘍径10mm以上,腫瘍表面の陥凹形成,MP浸潤,G2以上,ly因子陽性,v因子陽性のリスク因子のうち,単一因子のみの6症例ではリンパ節転移を認めず,2因子以上持つ症例のリンパ節転移は15例中6例(67%)で認め,腫瘍表面の陥凹形成は,唯一有意傾向を示すリスク因子として抽出された.ストーマの忌避や手術侵襲の観点から,追加外科手術を選択されない症例もあり,リンパ節転移のリスクが低い症例の抽出や,より正確なリンパ節転移率の評価が望まれる. | 
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133  | 
| DOI: | 10.3919/jjsa.81.1947 |