竹資材混合下水汚泥コンポスト肥料の土壌改良効果に関する研究

下水道分野では,高い潜在能力を有している下水汚泥のバイオマス利用が注目を集めている.中でも昨今の国際情勢に伴う肥料価格高騰などから,肥料への利用が国を挙げて検討されている.下水汚泥由来コンポスト肥料の農地還元については多岐にわたる実用例,報告などがある一方,適切な混合量および使用方法の検討はまだ十分ではない.そこで本研究では,コマツナを供試作物として用い,コンポスト肥料の適切な混合量および土壌改良材として竹資材の有用性を生育状態の視的観測やATP 法による土壌微生物の活性度により評価した.その結果,畑土に対してコンポスト肥料の混合比は体積比で5~10%程度が最も生育が良かった.また,竹チップを...

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Published in環境技術 Vol. 53; no. 2; pp. 90 - 96
Main Authors 佐藤, 克己, 南山, 瑞彦, 高橋, 京悠, 森田, 弘昭, 高橋, 岩仁, 川島, 聖也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 環境技術学会 20.03.2024
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ISSN0388-9459
1882-8590
DOI10.5956/jriet.53.2_90

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Summary:下水道分野では,高い潜在能力を有している下水汚泥のバイオマス利用が注目を集めている.中でも昨今の国際情勢に伴う肥料価格高騰などから,肥料への利用が国を挙げて検討されている.下水汚泥由来コンポスト肥料の農地還元については多岐にわたる実用例,報告などがある一方,適切な混合量および使用方法の検討はまだ十分ではない.そこで本研究では,コマツナを供試作物として用い,コンポスト肥料の適切な混合量および土壌改良材として竹資材の有用性を生育状態の視的観測やATP 法による土壌微生物の活性度により評価した.その結果,畑土に対してコンポスト肥料の混合比は体積比で5~10%程度が最も生育が良かった.また,竹チップを使用することで,微生物量が増加し,窒素同化によって土壌を肥沃にする効果が見られ,土壌改良材として竹チップの有用性が示された.とくに今回の混合比の中では,コンポスト肥料5%,畑土65%,竹チップ30%が最適であった.
ISSN:0388-9459
1882-8590
DOI:10.5956/jriet.53.2_90