サファイアウエハの振動援用インフィード平面研削に関する研究

発光ダイオード(LED)や半導体パワーデバイスの広範な実用化に伴い,高品位・低価格な基板用サファイアウエハの高能率生産が求められている.サファイアウエハは硬脆性材料であり,難削材料として位置付けられている.難削材料の研削加工方法として,小径砥石に超音波振動を重畳した加工事例が報告されている.振動援用により,研削砥石や工作物の微細な破壊・排除を促進し材料除去が容易にできることや,加工領域への研削液侵入による研削点温度や研削抵抗の低下効果などの利点が報告されている.一方,ウエハの平面研削においては質量の大きいカップ砥石が使用されるため,超音波を重畳することは困難である.そこで,筆者らは磁気アクチュ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in砥粒加工学会誌 Vol. 62; no. 8; pp. 427 - 432
Main Authors 北嶋, 孝之, 伊東, 利洋, 楠山, 純平, 由井, 明紀, 籔野, 真大
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 社団法人 砥粒加工学会 01.08.2018
Online AccessGet full text
ISSN0914-2703
1880-7534
DOI10.11420/jsat.62.427

Cover

More Information
Summary:発光ダイオード(LED)や半導体パワーデバイスの広範な実用化に伴い,高品位・低価格な基板用サファイアウエハの高能率生産が求められている.サファイアウエハは硬脆性材料であり,難削材料として位置付けられている.難削材料の研削加工方法として,小径砥石に超音波振動を重畳した加工事例が報告されている.振動援用により,研削砥石や工作物の微細な破壊・排除を促進し材料除去が容易にできることや,加工領域への研削液侵入による研削点温度や研削抵抗の低下効果などの利点が報告されている.一方,ウエハの平面研削においては質量の大きいカップ砥石が使用されるため,超音波を重畳することは困難である.そこで,筆者らは磁気アクチュエータを用いて砥石スピンドルをアキシャル方向に振動させるシステムを開発し,サファイアおよびシリコンウエハの振動援用インフィードロータリ平面研削を試みた.その結果,難削材料であるサファイアウエハに対しては加工時間の短縮と研削比の向上が実現できたが,被削性の高いシリコンウエハに対しては振動援用効果が認められなかった.
ISSN:0914-2703
1880-7534
DOI:10.11420/jsat.62.427