肺Mycobacterium avium complex症の大量喀血に対して術前のEWS気管支充填術が有用であった1例
喀血の治療には,気管支動脈塞栓術,気管支鏡下止血術,気管支充填,外科手術など様々な手段がある.今回,気管支動脈塞栓術では制御困難な肺Mycobacterium avium complex症(肺MAC症)による喀血に対し,EWSによる気管支充填術を追加することによって安全に外科的治療を遂行できた症例を経験した.症例は57歳男性.大量喀血を主訴に受診.胸部CT検査にて右肺上葉に47 mm大の空洞性病変と両肺下葉に斑状のすりガラス影を認め,喀痰検査で肺MAC症と診断した.緊急的気管支動脈塞栓術を行ったが,4時間後に再出血をきたし,気管支充填術を追加施行し止血を得た.再出血を懸念して翌日に右肺上葉切除...
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          | Published in | 日本呼吸器外科学会雑誌 Vol. 38; no. 4; pp. 396 - 401 | 
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| Main Authors | , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            一般社団法人 日本呼吸器外科学会
    
        15.05.2024
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| Subjects | |
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| ISSN | 0919-0945 1881-4158  | 
| DOI | 10.2995/jacsurg.38.396 | 
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| Summary: | 喀血の治療には,気管支動脈塞栓術,気管支鏡下止血術,気管支充填,外科手術など様々な手段がある.今回,気管支動脈塞栓術では制御困難な肺Mycobacterium avium complex症(肺MAC症)による喀血に対し,EWSによる気管支充填術を追加することによって安全に外科的治療を遂行できた症例を経験した.症例は57歳男性.大量喀血を主訴に受診.胸部CT検査にて右肺上葉に47 mm大の空洞性病変と両肺下葉に斑状のすりガラス影を認め,喀痰検査で肺MAC症と診断した.緊急的気管支動脈塞栓術を行ったが,4時間後に再出血をきたし,気管支充填術を追加施行し止血を得た.再出血を懸念して翌日に右肺上葉切除術を行い,合併症なく良好な結果を得た. | 
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| ISSN: | 0919-0945 1881-4158  | 
| DOI: | 10.2995/jacsurg.38.396 |