人工股関節全置換術後早期における歩行時の自覚的脚長差に関連する因子
【目的】静止立位時よりも歩行時の自覚的脚長差(以下,PLLD)が延長する人工股関節全置換術(以下,THA)例の特徴を調査し,歩行時のPLLDに関連する因子を明らかにすることを目的とする。【方法】初回THAを行った91例を対象とし,術前および術後3週のX線パラメータ,PLLD(静止立位時・歩行時),関節可動域を調査した。【結果】静止立位時よりも歩行時のPLLDが延長する症例(n=13)は静止立位時と歩行時でPLLDが一致する症例(n=74)に比較して,有意に術側股関節の内転可動域,伸展可動域が不良であった。歩行時のPLLDを従属変数,調査項目を独立変数とした重回帰分析の結果,歩行時のPLLDに関...
Saved in:
| Published in | 運動器理学療法学 Vol. 4; no. 1; pp. 10 - 18 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本運動器理学療法学会
2024
|
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 2436-8075 |
| DOI | 10.57281/jofmpt.202321 |
Cover
| Summary: | 【目的】静止立位時よりも歩行時の自覚的脚長差(以下,PLLD)が延長する人工股関節全置換術(以下,THA)例の特徴を調査し,歩行時のPLLDに関連する因子を明らかにすることを目的とする。【方法】初回THAを行った91例を対象とし,術前および術後3週のX線パラメータ,PLLD(静止立位時・歩行時),関節可動域を調査した。【結果】静止立位時よりも歩行時のPLLDが延長する症例(n=13)は静止立位時と歩行時でPLLDが一致する症例(n=74)に比較して,有意に術側股関節の内転可動域,伸展可動域が不良であった。歩行時のPLLDを従属変数,調査項目を独立変数とした重回帰分析の結果,歩行時のPLLDに関連する因子として術前および術後の構造的脚長差,術後骨盤側方傾斜角,術前骨盤腔縦径,術側股関節の内転可動域,伸展可動域が抽出された。【結論】歩行時のPLLDには術側股関節内転可動域,術後骨盤側方傾斜に加えて術側股関節伸展可動域が関連することが明らかとなった。 |
|---|---|
| ISSN: | 2436-8075 |
| DOI: | 10.57281/jofmpt.202321 |