言語聴覚士が中心となって行う補聴器外来 言語聴覚士が加わることによる効果
要旨: 近年, 国民の難聴対策の必要性の増加に伴い, 政府や関連学会より言語聴覚士の活用や雇用の促進が訴えられている。今後は言語聴覚士 (以下 ST) の聴覚医療における貢献や活躍が期待されている。今回, 補聴器外来を医師1名から医師と ST の協力体制に移行する前後を比較し, 患者, 医師, 医療機関にどのような影響を与えたかについて検討した。補聴器購入後の補聴器全体の満足度は医師 1 名体制で平均82点, 医師と ST の協力体制で平均80点と同等の結果で, 高い患者満足度を維持することができた。1週間の最大患者枠数は14人から54人に増えた。1年間の補聴器適合検査数は1回目が2.2倍,...
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| Published in | AUDIOLOGY JAPAN Vol. 65; no. 6; pp. 556 - 564 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本聴覚医学会
28.12.2022
日本聴覚医学会 |
| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 0303-8106 1883-7301 |
| DOI | 10.4295/audiology.65.556 |
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| Abstract | 要旨: 近年, 国民の難聴対策の必要性の増加に伴い, 政府や関連学会より言語聴覚士の活用や雇用の促進が訴えられている。今後は言語聴覚士 (以下 ST) の聴覚医療における貢献や活躍が期待されている。今回, 補聴器外来を医師1名から医師と ST の協力体制に移行する前後を比較し, 患者, 医師, 医療機関にどのような影響を与えたかについて検討した。補聴器購入後の補聴器全体の満足度は医師 1 名体制で平均82点, 医師と ST の協力体制で平均80点と同等の結果で, 高い患者満足度を維持することができた。1週間の最大患者枠数は14人から54人に増えた。1年間の補聴器適合検査数は1回目が2.2倍, 2回目以降が3.2倍に増加した。医師と ST の協力体制に移行しても満足度が維持できたことから, ST の積極的な参加は, 補聴器医療の需要に対応していく上で有効な選択肢で, 今後, より一層の ST の補聴器医療への関与が期待される。 |
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| AbstractList | 要旨: 近年, 国民の難聴対策の必要性の増加に伴い, 政府や関連学会より言語聴覚士の活用や雇用の促進が訴えられている。今後は言語聴覚士 (以下 ST) の聴覚医療における貢献や活躍が期待されている。今回, 補聴器外来を医師1名から医師と ST の協力体制に移行する前後を比較し, 患者, 医師, 医療機関にどのような影響を与えたかについて検討した。補聴器購入後の補聴器全体の満足度は医師 1 名体制で平均82点, 医師と ST の協力体制で平均80点と同等の結果で, 高い患者満足度を維持することができた。1週間の最大患者枠数は14人から54人に増えた。1年間の補聴器適合検査数は1回目が2.2倍, 2回目以降が3.2倍に増加した。医師と ST の協力体制に移行しても満足度が維持できたことから, ST の積極的な参加は, 補聴器医療の需要に対応していく上で有効な選択肢で, 今後, より一層の ST の補聴器医療への関与が期待される。 「要旨」 : 近年, 国民の難聴対策の必要性の増加に伴い, 政府や関連学会より言語聴覚士の活用や雇用の促進が訴えられている. 今後は言語聴覚士 (以下ST) の聴覚医療における貢献や活躍が期待されている. 今回, 補聴器外来を医師1名から医師とSTの協力体制に移行する前後を比較し, 患者, 医師, 医療機関にどのような影響を与えたかについて検討した. 補聴器購入後の補聴器全体の満足度は医師1名体制で平均82点, 医師とSTの協力体制で平均80点と同等の結果で, 高い患者満足度を維持することができた. 1週間の最大患者枠数は14人から54人に増えた. 1年間の補聴器適合検査数は1回目が2.2倍, 2回目以降が3.2倍に増加した. 医師とSTの協力体制に移行しても満足度が維持できたことから, STの積極的な参加は, 補聴器医療の需要に対応していく上で有効な選択肢で, 今後, より一層のSTの補聴器医療への関与が期待される. |
| Author | 鈴木, 大介 本間, 大和 山田, 浩之 和泉, 光倫 大石, 直樹 小澤, 宏之 上野, 真史 太田, 久裕 中山, 梨絵 島貫, 茉莉江 今村, 香菜子 若林, 毅 南, 隆二 新田, 清一 |
| Author_xml | – sequence: 1 fullname: 大石, 直樹 organization: 慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室 – sequence: 1 fullname: 上野, 真史 organization: 済生会宇都宮病院耳鼻咽喉科 – sequence: 1 fullname: 新田, 清一 organization: 慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室 – sequence: 1 fullname: 小澤, 宏之 organization: 慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室 – sequence: 1 fullname: 中山, 梨絵 organization: 川崎市立川崎病院耳鼻咽喉科 – sequence: 1 fullname: 島貫, 茉莉江 organization: けいゆう病院耳鼻咽喉科 – sequence: 1 fullname: 若林, 毅 organization: 慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室 – sequence: 1 fullname: 鈴木, 大介 organization: 済生会宇都宮病院耳鼻咽喉科 – sequence: 1 fullname: 今村, 香菜子 organization: けいゆう病院耳鼻咽喉科 – sequence: 1 fullname: 和泉, 光倫 organization: けいゆう病院耳鼻咽喉科 – sequence: 1 fullname: 太田, 久裕 organization: けいゆう病院耳鼻咽喉科 – sequence: 1 fullname: 南, 隆二 organization: 慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室 – sequence: 1 fullname: 山田, 浩之 organization: 慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室 – sequence: 1 fullname: 本間, 大和 organization: けいゆう病院耳鼻咽喉科 |
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| Copyright | 2022 日本聴覚医学会 |
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| CorporateAuthor | 済生会宇都宮病院耳鼻咽喉科 川崎市立川崎病院耳鼻咽喉科 慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室 けいゆう病院耳鼻咽喉科 |
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| Issue | 6 |
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| PublicationTitle | AUDIOLOGY JAPAN |
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| PublicationYear | 2022 |
| Publisher | 一般社団法人 日本聴覚医学会 日本聴覚医学会 |
| Publisher_xml | – name: 一般社団法人 日本聴覚医学会 – name: 日本聴覚医学会 |
| References | 1) 深浦順一: 国家試験結果関連の推移. 一般社団法人日本言語聴覚士協会編, 言語聴覚療法白書2020年度, 99頁, 2021 4) 鈴木大介, 新田清一, 岡崎 宏, 他: 当科補聴器外来における比較試聴システムの試み. Audiology Japan 57: 181-188, 2014 13) 上野真史, 新田清一, 鈴木大介, 他: 他機関で購入された補聴器の検討～補聴器適合検査の指針 (2010) に準じた適合判定～. Audiology Japan 61: 216-221, 2018 5) 新田清一, 鈴木大介: ゼロから始める補聴器診療. 小川 郁監, 中外医学社, 2016 10) 新田清一,小川 郁, 井上泰宏, 他: 耳鳴の心理的苦痛度・生活障害度の評価法に関する検討. Audiology Japan 45: 685-691, 2002 11) 鈴木恵子, 原 由紀, 岡本牧人: 難聴者による聴覚障害の自己評価「きこえについての質問紙」の解析. Audiology Japan 45: 704-715, 2002 6) 真鍋敏毅, 神田幸彦, 白石君男, 他: 補聴器適合検査の指針 (2010) (解説) Audiology Japan 53: 708-726, 2010 14) 岡崎 宏, 新田清一, 鈴木大介, 他: 補聴器の初期調整時の装用時間と音に対する慣れの検討. Audiology Japan 57: 71-77, 2014 9) 南, 隆二, 山田浩之, 上野真史, 他: 一般市中病院における慢性耳鳴患者228例の治療成績. 日耳鼻 124: 21-29, 2021 8) Newman CW, Jacobson GP, Spitzer JB: Development of the tinnitus handicap inventory. Arch Otolaryngol Head Neck Surg 122: 143-148, 1996 12) 山田浩之, 太田久裕, 今村香菜子, 他: 補聴器再診外来の意義についての検討. Audiology Japan 64: 252-259, 2021 3) 髙橋晴雄, 土井勝美, 三輪高喜: 日耳鼻専門医研修認可施設を対象とする「ST雇用の実態調査2017」の集計結果. 日本耳鼻咽喉科学会会報 121: 1555-1563, 2018 7) 山田浩之, 新田清一, 太田久裕, 他: 宇都宮方式聴覚リハビリテーションを取り入れた補聴器外来開設から3年間の検討.日耳鼻 123: 1380-1387, 2020 2) 伊藤 健, 欠畑誠治, 杉内智子, 他: 「聴覚領域の業務に携わる言語聴覚士の実態調査」調査結果. Audiology Japan 64: 105-124, 2021 |
| References_xml | – reference: 13) 上野真史, 新田清一, 鈴木大介, 他: 他機関で購入された補聴器の検討～補聴器適合検査の指針 (2010) に準じた適合判定～. Audiology Japan 61: 216-221, 2018 – reference: 9) 南, 隆二, 山田浩之, 上野真史, 他: 一般市中病院における慢性耳鳴患者228例の治療成績. 日耳鼻 124: 21-29, 2021 – reference: 7) 山田浩之, 新田清一, 太田久裕, 他: 宇都宮方式聴覚リハビリテーションを取り入れた補聴器外来開設から3年間の検討.日耳鼻 123: 1380-1387, 2020 – reference: 12) 山田浩之, 太田久裕, 今村香菜子, 他: 補聴器再診外来の意義についての検討. Audiology Japan 64: 252-259, 2021 – reference: 1) 深浦順一: 国家試験結果関連の推移. 一般社団法人日本言語聴覚士協会編, 言語聴覚療法白書2020年度, 99頁, 2021 – reference: 11) 鈴木恵子, 原 由紀, 岡本牧人: 難聴者による聴覚障害の自己評価「きこえについての質問紙」の解析. Audiology Japan 45: 704-715, 2002 – reference: 3) 髙橋晴雄, 土井勝美, 三輪高喜: 日耳鼻専門医研修認可施設を対象とする「ST雇用の実態調査2017」の集計結果. 日本耳鼻咽喉科学会会報 121: 1555-1563, 2018 – reference: 4) 鈴木大介, 新田清一, 岡崎 宏, 他: 当科補聴器外来における比較試聴システムの試み. Audiology Japan 57: 181-188, 2014 – reference: 10) 新田清一,小川 郁, 井上泰宏, 他: 耳鳴の心理的苦痛度・生活障害度の評価法に関する検討. Audiology Japan 45: 685-691, 2002 – reference: 5) 新田清一, 鈴木大介: ゼロから始める補聴器診療. 小川 郁監, 中外医学社, 2016 – reference: 14) 岡崎 宏, 新田清一, 鈴木大介, 他: 補聴器の初期調整時の装用時間と音に対する慣れの検討. Audiology Japan 57: 71-77, 2014 – reference: 2) 伊藤 健, 欠畑誠治, 杉内智子, 他: 「聴覚領域の業務に携わる言語聴覚士の実態調査」調査結果. Audiology Japan 64: 105-124, 2021 – reference: 6) 真鍋敏毅, 神田幸彦, 白石君男, 他: 補聴器適合検査の指針 (2010) (解説) Audiology Japan 53: 708-726, 2010 – reference: 8) Newman CW, Jacobson GP, Spitzer JB: Development of the tinnitus handicap inventory. Arch Otolaryngol Head Neck Surg 122: 143-148, 1996 |
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| SourceID | medicalonline jstage |
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| StartPage | 556 |
| SubjectTerms | 宇都宮方式 聴覚リハビリテーション 補聴器外来 言語聴覚士 |
| Subtitle | 言語聴覚士が加わることによる効果 |
| Title | 言語聴覚士が中心となって行う補聴器外来 |
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| ispartofPNX | AUDIOLOGY JAPAN, 2022/12/28, Vol.65(6), pp.556-564 |
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