80歳以上の高齢者腎盂尿管癌に対する腹腔鏡下腎尿管全摘術の有用性に関する検討
2015年4月から2022年3月までの期間に当院で非転移性腎盂尿管癌と診断された80歳以上の19症例の臨床経過を調べ, 高齢者における腹腔鏡下腎尿管全摘術の有用性を検討した. 手術群12例の年齢は中央値82歳 (80-91), 癌死2例, 他因死1例を認め3年生存率は83.3%, BSC群7例の年齢中央値は89歳 (80-96), 癌死2例があり3年生存率は53.3%であった. BSC群では血尿を4例で認め3例に放射線治療を要したが輸血を必要とした症例はなかった. 84歳以下11例では手術が9例に施行され癌死1例, 3年生存率は87.5%であった. 以上の結果より, 85歳以上の高齢者に腹腔鏡...
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| Published in | Japanese Journal of Endourology and Robotics Vol. 36; no. 2; pp. 255 - 260 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
一般社団法人 日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会
2023
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 2436-875X |
| DOI | 10.11302/jserjje.36.2_255 |
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| Summary: | 2015年4月から2022年3月までの期間に当院で非転移性腎盂尿管癌と診断された80歳以上の19症例の臨床経過を調べ, 高齢者における腹腔鏡下腎尿管全摘術の有用性を検討した. 手術群12例の年齢は中央値82歳 (80-91), 癌死2例, 他因死1例を認め3年生存率は83.3%, BSC群7例の年齢中央値は89歳 (80-96), 癌死2例があり3年生存率は53.3%であった. BSC群では血尿を4例で認め3例に放射線治療を要したが輸血を必要とした症例はなかった. 84歳以下11例では手術が9例に施行され癌死1例, 3年生存率は87.5%であった. 以上の結果より, 85歳以上の高齢者に腹腔鏡下腎尿管全摘除術の適応を決定する際には身体活動性や社会的背景なども考慮し, 予後延長に寄与する可能性について検討する必要性が示唆された. |
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| ISSN: | 2436-875X |
| DOI: | 10.11302/jserjje.36.2_255 |