左肝三角間膜に孤立する限局性結節性過形成の1例

症例は35歳,女性.健診の上部消化管造影検査と上部消化管内視鏡検査にて径15 mmの胃粘膜下腫瘍と診断された.精査加療目的で当院を紹介受診となった.腹部超音波検査で肝外側区域と胃底部の間に肝実質と同エコーの類円性腫瘤を認めた.腹部造影CT検査で腫瘤内部は均一に造影され遅延期には造影効果がなく辺縁は明瞭整であり,肝臓との連続性も疑われた.MRI検査はT2強調像で淡い低信号を呈し肝悪性疾患を否定できなかった.術前にGISTや肝悪性腫瘍を考慮し手術に臨んだが,腹腔鏡下所見で主肝とは離れ肝被膜に含まれた孤立性腫瘤を確認し,腹腔鏡下腫瘍切除術を行った.病理組織診断は限局性結節性過形成(FNH)であった....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 75; no. 7; pp. 1955 - 1960
Main Authors 矢部, 信成, 清水, 裕智, 吉川, 貴久, 村井, 信二, 北里, 憲司郎, 尾戸, 一平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2014
Subjects
Online AccessGet full text
ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.75.1955

Cover

More Information
Summary:症例は35歳,女性.健診の上部消化管造影検査と上部消化管内視鏡検査にて径15 mmの胃粘膜下腫瘍と診断された.精査加療目的で当院を紹介受診となった.腹部超音波検査で肝外側区域と胃底部の間に肝実質と同エコーの類円性腫瘤を認めた.腹部造影CT検査で腫瘤内部は均一に造影され遅延期には造影効果がなく辺縁は明瞭整であり,肝臓との連続性も疑われた.MRI検査はT2強調像で淡い低信号を呈し肝悪性疾患を否定できなかった.術前にGISTや肝悪性腫瘍を考慮し手術に臨んだが,腹腔鏡下所見で主肝とは離れ肝被膜に含まれた孤立性腫瘤を確認し,腹腔鏡下腫瘍切除術を行った.病理組織診断は限局性結節性過形成(FNH)であった.肝三角間膜に孤立するFNHは国内外で最初の報告である.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.75.1955