声帯のマイクロフラップ手術

声帯粘膜は粘弾性をもった振動体であり,声帯粘膜に手術操作がおよぶ場合に過度の侵襲による術後瘢痕形成を極力回避する必要がある。マイクロフラップ手術は声帯の機能的組織を極力温存し,病変のみを効果的に除去する術式である。 マイクロフラップ手術の適応は,粘膜上皮および粘膜固有層に発生するほぼすべての病変である。頻度の高いものとして声帯ポリープ,嚢胞などの良性隆起性病変,上皮病変として白板症,乳頭腫,早期癌などがあげられる。最も重要なポイントは粘膜固有層の組織を可能な限り温存することで,そのために粘膜上皮切開,粘膜固有層と病変の剥離を丁寧に行うことが求められる。また,声帯溝,瘢痕などの硬化性病変に対する...

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Published in頭頸部外科 Vol. 22; no. 1; pp. 19 - 21
Main Author 平野, 滋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2012
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.22.19

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Summary:声帯粘膜は粘弾性をもった振動体であり,声帯粘膜に手術操作がおよぶ場合に過度の侵襲による術後瘢痕形成を極力回避する必要がある。マイクロフラップ手術は声帯の機能的組織を極力温存し,病変のみを効果的に除去する術式である。 マイクロフラップ手術の適応は,粘膜上皮および粘膜固有層に発生するほぼすべての病変である。頻度の高いものとして声帯ポリープ,嚢胞などの良性隆起性病変,上皮病変として白板症,乳頭腫,早期癌などがあげられる。最も重要なポイントは粘膜固有層の組織を可能な限り温存することで,そのために粘膜上皮切開,粘膜固有層と病変の剥離を丁寧に行うことが求められる。また,声帯溝,瘢痕などの硬化性病変に対する粘膜形成術にも応用される。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.22.19