後腹膜鏡下に修復した特発性上腰ヘルニアの1例

症例は69歳,女性.右腰背部の有痛性腫瘤を自覚し来院した.CT,MRI,超音波検査で,右腰背部の腹壁筋膜層に3cmの欠損部を認め,腎周囲脂肪組織の脱出を認めた.特発性上腰ヘルニアと診断し,後腹膜鏡下に修復術を施行した.良好な視野のもと,第12肋骨,肋下神経側副枝,腸骨下腹神経,腸骨鼠径神経を確認し損傷することなくヘルニア門をParietexTM Optimized Composite Meshを用いてtension freeで修復した.術後4日目で退院し,その後再発や疼痛などは認めていない.上腰ヘルニアに対する後腹膜鏡下手術は,ヘルニア門と周囲の神経を確実に視認できるため安全で有用な術式と考え...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 78; no. 9; pp. 2144 - 2149
Main Authors 落合, 洋介, 河合, 徹, 京兼, 隆典, 小出, 史彦, 豊田, 良鎬
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2017
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.78.2144

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Summary:症例は69歳,女性.右腰背部の有痛性腫瘤を自覚し来院した.CT,MRI,超音波検査で,右腰背部の腹壁筋膜層に3cmの欠損部を認め,腎周囲脂肪組織の脱出を認めた.特発性上腰ヘルニアと診断し,後腹膜鏡下に修復術を施行した.良好な視野のもと,第12肋骨,肋下神経側副枝,腸骨下腹神経,腸骨鼠径神経を確認し損傷することなくヘルニア門をParietexTM Optimized Composite Meshを用いてtension freeで修復した.術後4日目で退院し,その後再発や疼痛などは認めていない.上腰ヘルニアに対する後腹膜鏡下手術は,ヘルニア門と周囲の神経を確実に視認できるため安全で有用な術式と考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.78.2144