肺カルチノイド術後9年目に切除した多発肝転移再発の1例

肺カルチノイドは神経内分泌的特徴を有した低悪性度の腫瘍である.術後肝転移再発をきたし,切除した症例を経験したので報告する.症例は70歳,男性.61歳時に肺カルチノイドに対し他院で右肺下葉切除術,リンパ節郭清を施行.病理組織学診断はatypical carcinoid pT1N0M0 pStage I Aであった.術後経過観察中,CTで肝腫瘍を認め当院紹介となった.Dynamic-CT検査では肝S8に25mm,S6に21mmの早期に濃染される腫瘍を認め,EOB-MRI検査では肝S8に25mmと4mm,S6に21mmの肝細胞相で低信号を呈する腫瘍を認めた.肺カルチノイド肝転移の疑いで,肝S8,S6...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 80; no. 6; pp. 1094 - 1098
Main Authors 髙木, 諭隆, 大塚, 将之, 古川, 勝規, 鈴木, 大亮, 吉富, 秀幸, 高屋敷, 吏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2019
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.80.1094

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Summary:肺カルチノイドは神経内分泌的特徴を有した低悪性度の腫瘍である.術後肝転移再発をきたし,切除した症例を経験したので報告する.症例は70歳,男性.61歳時に肺カルチノイドに対し他院で右肺下葉切除術,リンパ節郭清を施行.病理組織学診断はatypical carcinoid pT1N0M0 pStage I Aであった.術後経過観察中,CTで肝腫瘍を認め当院紹介となった.Dynamic-CT検査では肝S8に25mm,S6に21mmの早期に濃染される腫瘍を認め,EOB-MRI検査では肝S8に25mmと4mm,S6に21mmの肝細胞相で低信号を呈する腫瘍を認めた.肺カルチノイド肝転移の疑いで,肝S8,S6部分切除を施行した.病理組織学的検査では,肺カルチノイド肝転移の診断であった.術後15カ月現在,無再発生存中である.肺カルチノイドは長い経過を得て再発をきたすことがあり,充分な経過観察が必要と考えられた.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.80.1094