腸管皮膚瘻とメッシュ感染を伴う腹壁創離開に対してcomponents separation法が有用であった1例
今回われわれは,腸管皮膚瘻とメッシュ感染を伴う腹壁創離開に対して,components separation法が有用であった症例を経験したので報告する。症例は61歳,男性。前医で右尿管結石症に対して経尿道的尿路結石除去術を施行し,術中に尿管を損傷し開腹術となる。術後腹壁創離開あり,メッシュを用いた腹壁瘢痕ヘルニア修復術を施行した。術後,メッシュに癒着した小腸が穿孔を起こし,腸管皮膚瘻を形成し,当院へ紹介となった。保存的加療を行ったが改善せず,小腸部分切除,メッシュ除去術,components separation法による腹壁再建を施行した。腹壁には8×6cmの欠損部分があり,component...
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| Published in | 日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 38; no. 7; pp. 1219 - 1222 |
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| Main Authors | , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本腹部救急医学会
30.11.2018
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| Subjects | |
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| ISSN | 1340-2242 1882-4781 |
| DOI | 10.11231/jaem.38.1219 |
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| Summary: | 今回われわれは,腸管皮膚瘻とメッシュ感染を伴う腹壁創離開に対して,components separation法が有用であった症例を経験したので報告する。症例は61歳,男性。前医で右尿管結石症に対して経尿道的尿路結石除去術を施行し,術中に尿管を損傷し開腹術となる。術後腹壁創離開あり,メッシュを用いた腹壁瘢痕ヘルニア修復術を施行した。術後,メッシュに癒着した小腸が穿孔を起こし,腸管皮膚瘻を形成し,当院へ紹介となった。保存的加療を行ったが改善せず,小腸部分切除,メッシュ除去術,components separation法による腹壁再建を施行した。腹壁には8×6cmの欠損部分があり,components separation法のみで閉腹することができた。感染を伴う症例や,大きな筋膜欠損を伴う腹壁創離開に対して,components separation法は有用であると思われる。 |
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| ISSN: | 1340-2242 1882-4781 |
| DOI: | 10.11231/jaem.38.1219 |