急速に増大し腸閉塞をきたした小腸原発悪性末梢神経鞘腫の1例
症例は75歳,女性.食後の間欠的な腹痛を主訴に当院を受診した.血液検査で貧血を認め,造影CT検査で小腸内腔の9×4cmの腫瘤を先進部とした小腸の拡張を認めた.小腸腫瘍に伴う腸閉塞と診断し,手術を施行した.漿膜面への露出のない内腔に発育する小腸腫瘍を認め,小腸切除術を施行した.病理組織検査では,紡錘形細胞が錯綜状に増殖しており,免疫染色の結果と合わせて小腸原発悪性末梢神経鞘腫(malignant peripheral nerve sheath tumor:以下MPNST)と診断した.術後1年5カ月で,貧血の進行を契機にMPNSTの再発が疑われ,再度手術を施行した.小腸内腔に発育する腫瘤と小腸間膜...
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          | Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 77; no. 5; pp. 1116 - 1121 | 
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| Main Authors | , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本臨床外科学会
    
        2016
     | 
| Subjects | |
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| ISSN | 1345-2843 1882-5133  | 
| DOI | 10.3919/jjsa.77.1116 | 
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| Summary: | 症例は75歳,女性.食後の間欠的な腹痛を主訴に当院を受診した.血液検査で貧血を認め,造影CT検査で小腸内腔の9×4cmの腫瘤を先進部とした小腸の拡張を認めた.小腸腫瘍に伴う腸閉塞と診断し,手術を施行した.漿膜面への露出のない内腔に発育する小腸腫瘍を認め,小腸切除術を施行した.病理組織検査では,紡錘形細胞が錯綜状に増殖しており,免疫染色の結果と合わせて小腸原発悪性末梢神経鞘腫(malignant peripheral nerve sheath tumor:以下MPNST)と診断した.術後1年5カ月で,貧血の進行を契機にMPNSTの再発が疑われ,再度手術を施行した.小腸内腔に発育する腫瘤と小腸間膜の腹膜結節を切除した.病理組織検査からMPNSTの小腸・腹膜播種再発と診断した.小腸原発のMPNSTは稀であり,内腔に発育し腸閉塞をきたした1例を経験したため文献的考察を加え報告する. | 
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133  | 
| DOI: | 10.3919/jjsa.77.1116 |