頭頸部がん専門医制度が定める指定研修施設における治療の現況

日本頭頸部外科学会では2009年より頭頸部がん専門医制度を定めている。今回,院内がん登録を用いて指定/非指定研修施設での頭頸部癌治療の現状を比較検討した。2012-2015年の頭頸部癌94,006症例(705施設)を検討したところ,63.6%が指定研修施設にて治療されており,より標準治療に沿った治療が行われていることが示唆された。部位や地域による差も明らかとなった。また,2009-2013年症例の予後を検討した結果,指定研修施設の全生存率が有意に高かった。治療難易度が高い症例,治療選択の多様性がある症例が指定研修施設に集まっていることが示唆され,専門医制度の目的に沿った現状が構築されつつあると...

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Published in頭頸部外科 Vol. 31; no. 1; pp. 45 - 50
Main Authors 吉田, 昌史, 力武, 諒子, 吉本, 世一, 安藤, 瑞生, 東, 尚弘, 山岨, 達也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会 2021
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ISSN1349-581X
1884-474X
DOI10.5106/jjshns.31.45

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Summary:日本頭頸部外科学会では2009年より頭頸部がん専門医制度を定めている。今回,院内がん登録を用いて指定/非指定研修施設での頭頸部癌治療の現状を比較検討した。2012-2015年の頭頸部癌94,006症例(705施設)を検討したところ,63.6%が指定研修施設にて治療されており,より標準治療に沿った治療が行われていることが示唆された。部位や地域による差も明らかとなった。また,2009-2013年症例の予後を検討した結果,指定研修施設の全生存率が有意に高かった。治療難易度が高い症例,治療選択の多様性がある症例が指定研修施設に集まっていることが示唆され,専門医制度の目的に沿った現状が構築されつつあると考える。
ISSN:1349-581X
1884-474X
DOI:10.5106/jjshns.31.45