亜全胃温存膵頭十二指腸切除術後に発症したビタミンA欠乏による夜盲症の1例
今回,われわれは亜全胃温存膵頭十二指腸切除(SSPPD)術後に胆管空腸吻合部狭窄による肝内胆管結石,閉塞性黄疸および慢性胆管炎を併発し,ビタミンA欠乏による夜盲を発症した1例を経験したので報告する. 症例は73歳,女性.3年前に膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)に対してSSPPDを施行された.2年前より,多発肝内胆管結石,閉塞性黄疸および慢性胆管炎を繰り返し,今回,胆管炎の急性増悪のため入院となった.経皮経肝胆道ドレナージ,肝内胆管結石切石と胆管空腸吻合部バルーン拡張により,胆管炎および閉塞性黄疸は改善した.入院時,ビタミンA欠乏による夜盲を認め,ビタミンAを筋注投与した結果,夜盲も速やかに改善...
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| Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 73; no. 2; pp. 422 - 426 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床外科学会
2012
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI | 10.3919/jjsa.73.422 |
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| Summary: | 今回,われわれは亜全胃温存膵頭十二指腸切除(SSPPD)術後に胆管空腸吻合部狭窄による肝内胆管結石,閉塞性黄疸および慢性胆管炎を併発し,ビタミンA欠乏による夜盲を発症した1例を経験したので報告する. 症例は73歳,女性.3年前に膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)に対してSSPPDを施行された.2年前より,多発肝内胆管結石,閉塞性黄疸および慢性胆管炎を繰り返し,今回,胆管炎の急性増悪のため入院となった.経皮経肝胆道ドレナージ,肝内胆管結石切石と胆管空腸吻合部バルーン拡張により,胆管炎および閉塞性黄疸は改善した.入院時,ビタミンA欠乏による夜盲を認め,ビタミンAを筋注投与した結果,夜盲も速やかに改善した. 胆汁流出障害に伴う吸収障害,閉塞性黄疸や胆管炎に伴う肝での貯蔵能低下がビタミンA欠乏の原因として考えられた. |
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI: | 10.3919/jjsa.73.422 |