糸球体内壊死病変を伴ったIgA腎症の臨床病理学的検討

当科で経験した小児期IgA腎症190例のうち壊死病変を認めた12例 (6.3%) について臨床病理学的に検討をおこなった。  その結果,組織学的所見の光顕像ではDPGNが9例,FPGNが3例とび漫性増殖性変化を示すものが多かった。糸球体内壊死病変と予後との間には必ずしも一定の傾向は見られなかったが,基底膜の断裂あるいは単核球の浸潤が高率に認められた。  壊死病変は係蹄壁・管外性病変の形成ひいては硬化病変の形成に関与している可能性がある。...

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Published in日本小児腎臓病学会雑誌 Vol. 7; no. 2; pp. 217 - 222
Main Authors 大島, 圭介, 美木, 学, 谷澤, 隆邦, 川口, 真, 和田, 博義, 椿田, 重彦, 川口, 悟, 服部, 益治
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本小児腎臓病学会 1994
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ISSN0915-2245
1881-3933
DOI10.3165/jjpn.7.217

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Summary:当科で経験した小児期IgA腎症190例のうち壊死病変を認めた12例 (6.3%) について臨床病理学的に検討をおこなった。  その結果,組織学的所見の光顕像ではDPGNが9例,FPGNが3例とび漫性増殖性変化を示すものが多かった。糸球体内壊死病変と予後との間には必ずしも一定の傾向は見られなかったが,基底膜の断裂あるいは単核球の浸潤が高率に認められた。  壊死病変は係蹄壁・管外性病変の形成ひいては硬化病変の形成に関与している可能性がある。
ISSN:0915-2245
1881-3933
DOI:10.3165/jjpn.7.217