門脈内ガスを伴った急性胃蜂窩織炎の1例

症例は92歳男性。大腿骨頸部骨折で入院中,腹痛,嘔吐が出現し,血液検査で炎症反応の上昇を認めた。CT上,胃壁内から肝内門脈にかけてガス像を認めた。上部内視鏡検査を施行したところ胃体部大彎の皺壁腫大,白苔の付着したびらん,発赤を認め急性胃蜂窩織炎と診断した。胃粘膜組織培養からEnterococcus faecalisとStaphylococcus hominisが検出され絶食,抗生剤投与を行い保存的治療で改善した。胃蜂窩織炎に門脈ガス血症を伴うことは極めてまれである。保存的治療で改善した門脈ガス血症を伴う胃蜂窩織炎を経験したので文献的考察を加えて報告する。...

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Published in日本腹部救急医学会雑誌 Vol. 33; no. 1; pp. 145 - 150
Main Authors 岩谷, 勇吾, 久保, 直樹, 佐藤, 敏行, 花岡, 孝臣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腹部救急医学会 2013
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ISSN1340-2242
1882-4781
DOI10.11231/jaem.33.145

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Summary:症例は92歳男性。大腿骨頸部骨折で入院中,腹痛,嘔吐が出現し,血液検査で炎症反応の上昇を認めた。CT上,胃壁内から肝内門脈にかけてガス像を認めた。上部内視鏡検査を施行したところ胃体部大彎の皺壁腫大,白苔の付着したびらん,発赤を認め急性胃蜂窩織炎と診断した。胃粘膜組織培養からEnterococcus faecalisとStaphylococcus hominisが検出され絶食,抗生剤投与を行い保存的治療で改善した。胃蜂窩織炎に門脈ガス血症を伴うことは極めてまれである。保存的治療で改善した門脈ガス血症を伴う胃蜂窩織炎を経験したので文献的考察を加えて報告する。
ISSN:1340-2242
1882-4781
DOI:10.11231/jaem.33.145