維持透析患者乳癌に対する治療の検討
維持透析中に発症した乳癌の治療は,患側のvascular access,薬物療法という問題があるため慎重に行う必要がある.今回,維持透析中に発症した乳癌に対して治療を行った4症例の検討を行った. 症例は50歳~75歳の女性で,1例は患側に内シャントがある症例であった.手術に関しては乳房は全摘と温存,腋窩リンパ節は郭清症例とセンチネル生検症例が含まれていた.手術時間は53分~143分で,出血量は全例少量であった.抗凝固剤は,術後初回のみメシル酸ナファモスタットを使用した.術後補助療法として全例に通常量のホルモン療法を行い,1例で通常量のtegafur/uracilを追加投与した.乳房温存症例に対...
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| Published in | 日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 3; pp. 622 - 626 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本臨床外科学会
2013
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| Subjects | |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI | 10.3919/jjsa.74.622 |
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| Summary: | 維持透析中に発症した乳癌の治療は,患側のvascular access,薬物療法という問題があるため慎重に行う必要がある.今回,維持透析中に発症した乳癌に対して治療を行った4症例の検討を行った. 症例は50歳~75歳の女性で,1例は患側に内シャントがある症例であった.手術に関しては乳房は全摘と温存,腋窩リンパ節は郭清症例とセンチネル生検症例が含まれていた.手術時間は53分~143分で,出血量は全例少量であった.抗凝固剤は,術後初回のみメシル酸ナファモスタットを使用した.術後補助療法として全例に通常量のホルモン療法を行い,1例で通常量のtegafur/uracilを追加投与した.乳房温存症例に対しては通常量の放射線を照射した.術後1年1カ月~5年3カ月経過した時点で,いずれの症例も透析関連のトラブルはなく,無再発生存中である. |
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| ISSN: | 1345-2843 1882-5133 |
| DOI: | 10.3919/jjsa.74.622 |