若年左冠動脈主幹部起始部閉塞に対し,オフポンプ冠動脈バイパス術を施行した症例

症例は14歳,男性.運動中に失神があり,精査にて左冠動脈主幹部の低形成を認めたため,心筋虚血に伴う心原性失神と診断し,左冠動脈領域への血行再建を行うこととした.手術は,非体外循環下に左内胸動脈を用いて1枝バイパス術を施行した.術後のグラフト開存は良好で,胸部症状,虚血所見なく経過している.若年期に胸部症状,失神が契機に発見された左冠動脈低形成の手術症例を報告した.左冠動脈の形態異常に伴う虚血の関与は稀ではあるが,突然死の原因となることもあり注意が必要である.また,このような症例に対して,冠動脈バイパス術は有用であると考えられた....

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 45; no. 2; pp. 73 - 75
Main Authors 山中, 憲, 小宮, 達彦, 恒吉, 裕史, 島本, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 2016
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.45.73

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Summary:症例は14歳,男性.運動中に失神があり,精査にて左冠動脈主幹部の低形成を認めたため,心筋虚血に伴う心原性失神と診断し,左冠動脈領域への血行再建を行うこととした.手術は,非体外循環下に左内胸動脈を用いて1枝バイパス術を施行した.術後のグラフト開存は良好で,胸部症状,虚血所見なく経過している.若年期に胸部症状,失神が契機に発見された左冠動脈低形成の手術症例を報告した.左冠動脈の形態異常に伴う虚血の関与は稀ではあるが,突然死の原因となることもあり注意が必要である.また,このような症例に対して,冠動脈バイパス術は有用であると考えられた.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.45.73