EBウイルス関連脾原発悪性リンパ腫の1例

われわれはメソトレキセート(MTX)使用中の慢性関節リウマチ患者に発生した極めて稀なEpstein-Barr virus(EBV)関連脾臓原発悪性リンパ腫に対して,用手補助腹腔鏡下脾臓摘出術を施行した1例を経験したので報告する.症例は80歳の女性で,約1年間MTXを内服中,2週間続く倦怠感と3日間続く39度台の弛張熱を主訴に受診した.左季肋部に叩打痛を認め,造影CTにて脾臓に多発する低吸収域を認めた.脾膿瘍を疑い抗菌薬,抗真菌薬投与にて経過を見たが,発熱が持続したため第7病日に用手補助腹腔鏡下脾臓摘出術を行った.脾臓割面には多発する白色結節を認め,病理組織学的所見はdiffuse large...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 73; no. 3; pp. 681 - 684
Main Authors 祇園, 智信, 播本, 憲史, 由茅, 隆文, 長家, 尚, 藤田, 優裕, 梶山, 潔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2012
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.73.681

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Summary:われわれはメソトレキセート(MTX)使用中の慢性関節リウマチ患者に発生した極めて稀なEpstein-Barr virus(EBV)関連脾臓原発悪性リンパ腫に対して,用手補助腹腔鏡下脾臓摘出術を施行した1例を経験したので報告する.症例は80歳の女性で,約1年間MTXを内服中,2週間続く倦怠感と3日間続く39度台の弛張熱を主訴に受診した.左季肋部に叩打痛を認め,造影CTにて脾臓に多発する低吸収域を認めた.脾膿瘍を疑い抗菌薬,抗真菌薬投与にて経過を見たが,発熱が持続したため第7病日に用手補助腹腔鏡下脾臓摘出術を行った.脾臓割面には多発する白色結節を認め,病理組織学的所見はdiffuse large B-cell lymphomaで,EBER(EBV encoded small RNAs)陽性でありEBV関連脾臓原発悪性リンパ腫と診断した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.73.681