インターフェロン単独療法後再燃し,ペグインターフェロン+リバビリン併用療法にてウイルス学的持続著効を達成したGenotype 3b型C型慢性肝炎の1例

症例は52歳,女性.1993年,出産時にHCV抗体陽性を指摘された.1997年に肝障害が出現し,当科でC型慢性肝炎,genotype 3b型,HCV-RNA定量13 Meq/ml(DNAプローブ法)に対してIFN β 24週投与を施行した.4週で血中HCV-RNAは陰性化したものの再燃し,AST,ALTは基準値内を維持していたため経過観察されていた.2012年,健診で肝障害を指摘され,当科再紹介受診となり,HCV-RNA定量6.5 LogIU/ml(RT-PCR法)と高ウイルス量でC型慢性肝炎の再燃と診断,genotype 3b型,高ウイルス量であり,PEG-IFNα2b/RBVの24週投与を...

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Published in肝臓 Vol. 56; no. 3; pp. 88 - 95
Main Authors 佐伯, 一成, 岩本, 拓也, 丸本, 芳雄, 坂井田, 功, 石川, 剛, 高見, 太郎, 日髙, 勲, 松浦, 桂司, 花園, 忠相
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本肝臓学会 2015
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ISSN0451-4203
1881-3593
DOI10.2957/kanzo.56.88

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Summary:症例は52歳,女性.1993年,出産時にHCV抗体陽性を指摘された.1997年に肝障害が出現し,当科でC型慢性肝炎,genotype 3b型,HCV-RNA定量13 Meq/ml(DNAプローブ法)に対してIFN β 24週投与を施行した.4週で血中HCV-RNAは陰性化したものの再燃し,AST,ALTは基準値内を維持していたため経過観察されていた.2012年,健診で肝障害を指摘され,当科再紹介受診となり,HCV-RNA定量6.5 LogIU/ml(RT-PCR法)と高ウイルス量でC型慢性肝炎の再燃と診断,genotype 3b型,高ウイルス量であり,PEG-IFNα2b/RBVの24週投与を施行し,SVRを達成した.Genotype 3b型のC型慢性肝炎は本邦では非常に稀な遺伝子型であり,その治療方針は十分な検討がなされていない.本症例はHCV genotype 3型に対する治療方針を決定するうえで示唆に富むと考えられた.
ISSN:0451-4203
1881-3593
DOI:10.2957/kanzo.56.88