積極的治療が困難になったがん患者への退院支援における退院支援看護師の実践能力

退院支援看護師の,積極的治療が困難になったがん患者への退院支援実践能力を明らかにすることを目的とした.全国のがん診療連携拠点病院120施設の退院支援看護師(以下,DPN) 477名に質問紙調査を行い,198名から有効回答を得た(有効回答率41.5%).対象者のDPN経験年数の中央値は2.5年で,90.2%が看護師経験10年以上であった.退院支援実践能力のうち,退院後のケアバランスの調整力は看護師経験とDPN経験の長い群で有意に高く,退院後のケアバランスの見積もり力と療養場所の移行準備力はDPN経験の長い群と在宅・地域ケアの勤務経験のある群で有意に高かったが,患者家族との合意形成力には経験による...

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Published inPalliative Care Research Vol. 15; no. 4; pp. 345 - 353
Main Authors 中田(市森), 明恵, 表, 志津子, 岡本, 理恵, 廣田, 真由美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本緩和医療学会 2020
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ISSN1880-5302
DOI10.2512/jspm.15.345

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Summary:退院支援看護師の,積極的治療が困難になったがん患者への退院支援実践能力を明らかにすることを目的とした.全国のがん診療連携拠点病院120施設の退院支援看護師(以下,DPN) 477名に質問紙調査を行い,198名から有効回答を得た(有効回答率41.5%).対象者のDPN経験年数の中央値は2.5年で,90.2%が看護師経験10年以上であった.退院支援実践能力のうち,退院後のケアバランスの調整力は看護師経験とDPN経験の長い群で有意に高く,退院後のケアバランスの見積もり力と療養場所の移行準備力はDPN経験の長い群と在宅・地域ケアの勤務経験のある群で有意に高かったが,患者家族との合意形成力には経験による有意な差が認められなかった.退院支援の質向上のために,個々の経験を生かした人員配置やベテランDPNの経験知を共有できる仕組みづくりが必要であることが示唆された.
ISSN:1880-5302
DOI:10.2512/jspm.15.345