当院の緩和ケアチーム活動における歯科との連携
当院では歯科医師が緩和ケアチーム(PCT)の一員として活動を共にしている.2009年から2014年までに当院PCTが介入したがん患者127例のうち,17例(13.3%)に口腔内の症状を認め,PCTで治療方針を検討した.口腔内の痛み,口腔乾燥,味覚異常,舌苔付着,唾液過多,食思不振,および開口障害に対し専門的治療を行い,全例に口腔内所見の改善が得られ,16例(94%)に症状の改善を認めた.歯科医師のPCT加入は介入患者の症状緩和に有効であり,チーム員の口腔に対する意識も向上した.またPCTによる口腔内観察は,患者のQOLの改善に寄与するだけでなく,医療スタッフの口腔への関心を高める効果も期待され...
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Published in | Palliative Care Research Vol. 11; no. 1; pp. 901 - 905 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本緩和医療学会
2016
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-5302 |
DOI | 10.2512/jspm.11.901 |
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Summary: | 当院では歯科医師が緩和ケアチーム(PCT)の一員として活動を共にしている.2009年から2014年までに当院PCTが介入したがん患者127例のうち,17例(13.3%)に口腔内の症状を認め,PCTで治療方針を検討した.口腔内の痛み,口腔乾燥,味覚異常,舌苔付着,唾液過多,食思不振,および開口障害に対し専門的治療を行い,全例に口腔内所見の改善が得られ,16例(94%)に症状の改善を認めた.歯科医師のPCT加入は介入患者の症状緩和に有効であり,チーム員の口腔に対する意識も向上した.またPCTによる口腔内観察は,患者のQOLの改善に寄与するだけでなく,医療スタッフの口腔への関心を高める効果も期待される.さらに多診療科連携を深めることにより,より質の高い緩和ケアを提供できるものと考える. |
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ISSN: | 1880-5302 |
DOI: | 10.2512/jspm.11.901 |