腸重積を発症した乳腺間質肉腫小腸転移の1例

背景:成人性腸重積は全腸重積の中で5%と頻度は低いが,小児と異なり悪性腫瘍を始めとした基質的疾患が原因であることが多い.乳腺間質肉腫はまれな疾患であり,血行性に肺や肝臓に転移する傾向を認めるが小腸に転移するのはまれである.症例:55歳女性.増大する乳腺腫瘍を認め,左乳房切除を行ったところ間質肉腫の診断であった.6カ月後に腹痛を主訴に受診.イレウスの診断で入院し精査を行ったところ,CTにてtarget signと同部位に腫瘍を認め,その腫瘍を先進部とした腸重積と診断し開腹手術を行った.Treitz靱帯より30cmの空腸に腸重積を認め徒手にて先進部となった小腸腫瘍とともに整復し,腫瘍は小腸部分切除...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 74; no. 4; pp. 947 - 951
Main Authors 廣方, 玄太郎, 阿部, 厚憲, 及能, 健一, 水上, 達三, 松澤, 文彦, 濱口, 純
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床外科学会 2013
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.74.947

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Summary:背景:成人性腸重積は全腸重積の中で5%と頻度は低いが,小児と異なり悪性腫瘍を始めとした基質的疾患が原因であることが多い.乳腺間質肉腫はまれな疾患であり,血行性に肺や肝臓に転移する傾向を認めるが小腸に転移するのはまれである.症例:55歳女性.増大する乳腺腫瘍を認め,左乳房切除を行ったところ間質肉腫の診断であった.6カ月後に腹痛を主訴に受診.イレウスの診断で入院し精査を行ったところ,CTにてtarget signと同部位に腫瘍を認め,その腫瘍を先進部とした腸重積と診断し開腹手術を行った.Treitz靱帯より30cmの空腸に腸重積を認め徒手にて先進部となった小腸腫瘍とともに整復し,腫瘍は小腸部分切除を行い摘出した.他の部位に明らかな腫瘍は認めなかった.病理所見は原発巣である乳腺間質肉腫由来の転移性小腸腫瘍であった.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.74.947