大腸がん再発のがん性腹水に対してmFOLFOX6が腹水のコントロールに奏効した1例
がん性腹膜炎を伴う大腸がん再発症例に対しmodified oxaliplatin/l-LV/5-FU (mFOLFOX6)療法を行い, 腹水の消失, 腫瘍マーカーCA19-9の低下を認め, QOLの改善を得た1例の症例を報告する. 症例は62歳, 男性. 上行結腸がん・肝転移と診断され, 結腸右半切除, 肝右葉切除術を施行した. 外来にてTS-1を開始するも術後半年のCTにて大量の腹水貯留および腹膜播種を認め, がん性腹膜炎と診断. PS (performance status)がグレード3の状態であった. そのため, 腹水穿刺およびmFOLFOX6療法を減量し, 緩和的治療を施行した. 10...
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Published in | Palliative Care Research Vol. 3; no. 2; pp. 316 - 320 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本緩和医療学会
2008
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Subjects | |
Online Access | Get full text |
ISSN | 1880-5302 |
DOI | 10.2512/jspm.3.316 |
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Summary: | がん性腹膜炎を伴う大腸がん再発症例に対しmodified oxaliplatin/l-LV/5-FU (mFOLFOX6)療法を行い, 腹水の消失, 腫瘍マーカーCA19-9の低下を認め, QOLの改善を得た1例の症例を報告する. 症例は62歳, 男性. 上行結腸がん・肝転移と診断され, 結腸右半切除, 肝右葉切除術を施行した. 外来にてTS-1を開始するも術後半年のCTにて大量の腹水貯留および腹膜播種を認め, がん性腹膜炎と診断. PS (performance status)がグレード3の状態であった. そのため, 腹水穿刺およびmFOLFOX6療法を減量し, 緩和的治療を施行した. 10コース後に腹水の消失が認められ, 腹部にあった硬結も消失し, PSはグレード1に回復した. 10カ月後の現在, mFOLFOX6療法の副作用である末梢神経障害ならびに転移性腫瘤の発現のため, CPT-11/l-LV/5-FU (FOLFIRI)療法に変更した. 経過は良好で腹部膨満もなく, 腹水も出現せず外来通院中である. Palliat Care Res 2008; 3(2): 316-320 |
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ISSN: | 1880-5302 |
DOI: | 10.2512/jspm.3.316 |