二弁置換術後に血小板減少の改善が得られた大動脈弁狭窄症および僧帽弁狭窄症の1例

症例は77歳女性.重症大動脈弁狭窄症および僧帽弁輪に高度の石灰化を伴う重症僧帽弁狭窄症の診断で入院した.術前血小板数が7万台と減少していたが,骨髄検査では異常を認めず,弁膜症に伴うshear stressによる血小板破壊が原因と考えられた.手術は大動脈弁置換(ATS AP360 18 mm),僧帽弁置換(ATS Standard 23 mm),左室流出路心筋切除を行った.僧帽弁には高度の弁輪石灰化を伴っていたため,CUSAによる脱灰後に弁置換を行った.術後は一過性のsick sinus syndromeを認めた以外に経過は良好で,血小板数は自然と回復した.術後12カ月以上が経過したが,血小板数...

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Published in日本心臓血管外科学会雑誌 Vol. 47; no. 5; pp. 220 - 223
Main Authors 西村, 征憲, 森, 晃佑, 松山, 正和, 岩﨑, あや香, 矢野, 光洋, 川越, 勝也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 15.09.2018
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ISSN0285-1474
1883-4108
DOI10.4326/jjcvs.47.220

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Summary:症例は77歳女性.重症大動脈弁狭窄症および僧帽弁輪に高度の石灰化を伴う重症僧帽弁狭窄症の診断で入院した.術前血小板数が7万台と減少していたが,骨髄検査では異常を認めず,弁膜症に伴うshear stressによる血小板破壊が原因と考えられた.手術は大動脈弁置換(ATS AP360 18 mm),僧帽弁置換(ATS Standard 23 mm),左室流出路心筋切除を行った.僧帽弁には高度の弁輪石灰化を伴っていたため,CUSAによる脱灰後に弁置換を行った.術後は一過性のsick sinus syndromeを認めた以外に経過は良好で,血小板数は自然と回復した.術後12カ月以上が経過したが,血小板数は11万前後を維持している.
ISSN:0285-1474
1883-4108
DOI:10.4326/jjcvs.47.220