ウサギ顎関節における実験的線維性癒着病変の作製ならびにその組織学的所見について

成熟ウサギ (日本白色家兎) に1日3時間30mmの強制開口を施し, 顎関節に組織の接着を惹起し, それについて光学顕微鏡, 共焦点レーザー走査顕微鏡を用い処置後60日後まで経時的に観察し, 以下の結果が得られた。 1. 15羽中10羽, 30関節中17関節に組織の接着が認められた。 2. 10羽中上関節腔に組織の接着を生じたものが5羽, 下関節腔に組織の接着を生じたものが5羽だった。 3. 上関節腔では下関節腔に比較し, 広範囲に組織の接着を呈したものが多かった。 4. 接着組織は経時的に線維性結合組織を多く含む組織へと変化していった。 以上の結果から, 1日の強制開口負荷により関節腔内に組...

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Published inJournal of the Japanese Society for the Temporomandibular Joint Vol. 14; no. 2; pp. 210 - 216
Main Authors 豊田, 長隆, 石井, 宏知, 大嶽, 基, 石橋, 克禮, 野上, 喜史, 志賀, 貴之, 浅田, 洸一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本顎関節学会 2002
The Japanese Society for Temporomandibular Joint
Subjects
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ISSN0915-3004
1884-4308
DOI10.11246/gakukansetsu1989.14.210

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Summary:成熟ウサギ (日本白色家兎) に1日3時間30mmの強制開口を施し, 顎関節に組織の接着を惹起し, それについて光学顕微鏡, 共焦点レーザー走査顕微鏡を用い処置後60日後まで経時的に観察し, 以下の結果が得られた。 1. 15羽中10羽, 30関節中17関節に組織の接着が認められた。 2. 10羽中上関節腔に組織の接着を生じたものが5羽, 下関節腔に組織の接着を生じたものが5羽だった。 3. 上関節腔では下関節腔に比較し, 広範囲に組織の接着を呈したものが多かった。 4. 接着組織は経時的に線維性結合組織を多く含む組織へと変化していった。 以上の結果から, 1日の強制開口負荷により関節腔内に組織の接着が生じ, 線維化していくことから, この実験モデルは今後の線維性癒着の研究に有用と思われた。
ISSN:0915-3004
1884-4308
DOI:10.11246/gakukansetsu1989.14.210